ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年9月17日
仏さんって何のこと
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
「仏さん(ほとけさん)」という言葉はたまに聞くのではないでしょうか。
刑事ドラマなどで亡くなった方をよく「仏さん」と言っているのが記憶にあります。
ではなぜ亡くなった方の事を「仏さん」と呼ぶのでしょうか。
仏教では亡くなった後に仏となる
仏教では様々な宗派がありますが、基本的には亡くなった後は浄土にて仏となることを目指しています。そして、亡くなった後に仏と成る事を成仏(じょうぶつ)と言います。
その事から、亡くなった人の事を「仏さん」と呼ぶのだと思います。
仏とは
では、仏とは何者なのでしょうか。
仏とは悟りを開いた者の事です。
仏教の世界観では〇〇如来・〇〇菩薩・〇〇明王・〇〇天などといった仏様と言われている方達がいらっしゃいますが、本当の意味での仏様は如来だけです。
如来は既に悟りを開いている本当の仏様です。菩薩は悟りを開くために修行をしている者です。なかには悟りを開くことができる境地に達しているにもかかわらず、この世の衆生(しゅじょう)を救うためにあえて菩薩となっている方もいると言われています。
仏教の教えを実践することにより私達は、亡くなった後、畜生(ちくしょう)や地獄(じごく)の世界に生まれ変わることなく、輪廻(りんね)から解脱(げだつ)し、仏と成って浄土へ往って生まれる*1のです。
ニュアンス的には「仏様」と言うと如来等を指し、「仏さん」と言うと亡くなった方を指す事が多いのではないでしょうか。
各宗派での成仏
仏教において、仏と成るのが目標であり、それは各宗派により方法が異なりますので一部を紹介致します。
真言宗
大日如来の真言を、手で印相を結ぶ「身密」、口で読み上げる「口密」、心に曼荼羅(まんだら)を思い浮かべる「意密」の三密によって実践することにより、現実世界の身体のままで仏となる「即身成仏」ができるといわれています。
浄土宗
ひたすらに「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と唱えることにより、阿弥陀如来の力で成仏ができるといわれます。
浄土真宗本願寺派
阿弥陀如来の本願を信じてひたすら「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば、阿弥陀如来の回向(えこう)により、亡くなってすぐに浄土へ往生*1し成仏できるといわれています。
真宗大谷派
「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えて阿弥陀如来の本願を信じることで、阿弥陀如来の積善による回向に乗って浄土に往生*1し成仏できるといわれています。
日蓮宗
「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」の題目を繰り返し唱えることにより、誰しもが亡くなった後に浄土にて釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)と出会い成仏ができるといわれています。
*1 往生(おうじょう) →