ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年4月19日

お仏壇へのお供えもの

  • 株式会社大越仏壇
  • 商品部 小橋
仏壇

お仏壇に手を合わせる時に何をお供えされていますか?
お仏壇まつられているご本尊や脇掛・脇侍を供養し、先祖の供養するためにお供えをします。
お仏壇へお供えする物には五供(ごくう)と言われる5つの基本があります。
五供とは、香・華(花)・灯・食べ物・水の5つを指しています。
香…お線香、抹香など
華(花)…花
灯…ろうそく立、灯篭など
食べ物…ご飯
水…水、お茶
この中でも香・華・灯は仏前供養の基本です。

香は本尊・先祖を供養するためお供えします。
仏や亡くなった人々の食べ物と考えられてきました。
また、人の身口意(しんくい)とその空間を清める力があるとされます。
身口意とは、
身…やっていること
口…言っていること
意…思っていること
で、この3つが揃っていれば、思っていることが叶うと言われています。

香(線香なども)は香炉で焚きます。
香炉は、具足(ぐそく)に含まれますが、それのほかに広口の香炉を使うことが多いです。

浄土真宗の他の宗派では、香炉灰に線香を立てて焚きます
浄土宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗は1本、天台宗、真言宗は3本を立てるのが正式とされています。
仏法僧の三宝に帰依するということから3本立てるという考え方もあるようです。
線香を3本立てる時は、手前に1本奥に2本を立てます。
上から見ると、逆三角形を描いた形になります。

ためになる!?ぶつだんやさんコラムより
“お仏壇に供えるお花について”にて書いてあります。

お仏壇に供えるお花について

灯は人間の苦を生み出す「無明の闇」を照らし出すものと言われています。
ロウソクは、燭台(しょくだい)に立て火を灯し、お参りが終わったら火を消します。
明かりを灯す仏具には、リントウや灯篭があります。
リントウは、油を燃やしで灯明(とうみょう)を灯していましたが、現在では安全な電気で灯しています。

食べ物

代表としてご飯があります。

ご飯を供えるタイミング

仏壇にご飯を供えるタイミングは、明確に決まりはありませんが、一般的には朝です。
朝、ご飯を炊いたときに、家族に出す前に最初にご飯を仏飯にしましょう。
この炊き立てということが実は大切です。
なぜなら、仏や先祖、故人にとって何よりのごちそうはご飯の湯気だからです。
15~30分くらい経って、湯気が出なくなったら下げましょう。
また、白いご飯が一番良いですが、炊き込みご飯しかないなど用意出来なかった際には白いご飯以外でも
かまいません。
しかし、傷みやすいですので注意が必要です。

ごはんを下げるタイミング

お供えした仏飯は冷めて固くなってしまう前に下げ、家族で同じものを食べることを通じて供養するのが理想です。

下げる時間や衛生上の問題などから食べることを控えたい場合は、捨てても問題ありません。
また、お供えしているうちに固くなってしまった場合、ご飯を土に返すことは良いこととされていますので、
庭にいる鳥や虫に食べてもらっても良いでしょう。
庭や池にまいたりして他の動物(主には小鳥や魚)のエサにしましょう。
専門的には、このような行為を「餓鬼に施す」といい、餓鬼道(地獄のように苦しい世界)でいつも飢えに
苦しんでいる亡者に対して施しを与えるという意味があるそうです。

ためになる!?ぶつだんやさんコラムより
“お仏壇に供える水”にて書いてあります。

お仏壇にお供えする水

お供えの品について

仏壇のお供えはどういった物が喜ばれるのでしょうか?
お供えのお菓子の渡し方にも気をつけなければなりません。お供えの品には熨斗(のし)が必要ですが、
そこには何を記入したらいいのでしょう?

そもそも、仏前・神前のお供えは通常、喪家や近しい親族以外が贈る品物のことを指し、家族や親族が用意した
お供え物に対して、御供という表現はしません。
金銭を贈る場合は、「御供」ののしはつけないので注意してください。金銭の場合は、葬儀の際の薄墨ではなく、
通常の濃さか濃墨で「御仏前」などと記すのが一般的です。

・好まれるお供えの品

お菓子、果物、缶詰セット、乾物(海苔、乾麺)など
果物→お供え物はご先祖様などへの敬意と感謝の気持ちを表現するためのものなので、基本的にはお供えしては
いけない果物はありません。
しかし、腐りやすい果物や痛みやすい果物は、お供え物には向きません。
そのため、リンゴやメロンなど常温で長持ちする果物がおすすめです。
また、故人が生前に好きだった果物をお供えするのもよいでしょう。
果物の中でも、メロンやリンゴ、グレープフルーツやオレンジなど丸い形状の果物が好まれます。
これは、魂の形が丸いと言われている為や、丸いもの=円=縁という具合に、日本では古くから丸いものを
好む傾向がありました。
そして、果物の個数についてですが偶数は割り切れるため、個人との縁が切れるとされることもあります。
そのため、奇数にすることが多いようです。
また、死や苦を連想させる4と9を除いた3.5.7.11個程度がいいでしょう。
また、お供え物と聞くと和風なイメージが強いですが、洋菓子をお供えしても問題ありません。
マドレーヌやクッキー、ゼリーといった洋菓子類は賞味期限が長く個包装の商品が多いのでお供え物向きと
言えます。
特に好まれるのは法要などが終わった後に遺族が参列者に分けられるタイプの物です。
個装されていてサイズ感があるものは特に喜ばれます。
反対に、タブーな品物は肉や魚などで「無益な殺生をしてはいけない」とされているためです。
できるだけ生命がある動物の命は奪わないでおきましょうということです。
他にも、五辛(にら、にんにく、ねぎ、らっきょう、のびる)と呼ばれるはすべて情欲や怒りを増幅させる
植物とされ、禁忌の野菜と言われています。別名で「五葷(ごくん)」という呼ばれ方もします。

熨斗について

・水引の種類

水引の結び方には、蝶結び・結び切り・鮑結びの3つの基本形があり、弔事では結び切りを用います。
結び切りは1度結べばほどけないため、何度もおきてほしくない病気や不幸、弔事のときに使います。
(鮑結びは慶弔両方で使われ、地方によって使われ方が異なります)。
また水引の色には、赤白、金銀、白黒、黄白、銀などがありますが、弔事の場合は、白黒、黄白、銀の水引を
使います。
れぞれの意味合いによって使い分けられていますので、誤った用い方をすると先方に失礼となりますので
注意が必要です。
色は地域によって変わりますが、関東ならば黒白か双銀(青白)、北陸や関西は黄白が主流です。
関東でも三周忌以降は黄白の水引を使用できるようです。

・表書き

「御霊前(御仏前)」と「御供物」の違いですが、「御供」は品物に付けるのしの表書きの事、
「御霊前(御仏前)」は現金のお供えの香典袋の表書きの事です。

・御霊前・御仏前の違い

忌明け法要がすむまではまだ仏になっていないという考え方ですので、四十九日までは御霊前、四十九日を
明けると「御仏前」と記入します。
仏教の教えでは霊として存在している間は亡くなった日から7日ごとに7週間、計7回成仏できるかどうかの
お裁きがあるとされており、ご遺族は故人様が成仏できるように7日ごとに追善法要(ついぜんほうよう)を営みます。7回目の追善法要である四十九日法要は最後のお裁きの日であり、この時に成仏が許されると、あの世とこの世の
間をさまよっている「霊」から来世の行き先が決まった「仏」になります。
そのため、四十九日法要での不祝儀袋の表書きは原則として「御仏前」を使用します。

ただし、浄土真宗の場合は亡くなった時点で仏になると考えられていますので、通夜葬儀の時から御仏前で
用意するのがしきたりのようです。
表書きの文字と名前は薄墨の筆文字が好まれますが、これは「涙で墨が薄まってしまった」ということを
表しています。

・「外のし」と「内のし」はどちらが望ましい?

「のし紙」は包装紙のうえにかける「外のし」と、品物の化粧箱にのし紙をかけてから包装する「内のし」が
ありますが、どちらの掛け方を使うか、特別な決まりはありません。
一般的に多いのは、式や法要に出席してお供えを持参できる場合は「外のし」で、出席せずお供えを送る場合や、
遠方の方に宅配便などで香典返しを送る場合などは、「のし紙」が傷んでしまうことを防ぎ、弔事の贈り物で
あることを表す「内のし」を選ぶようにしましょう
仏壇のお供え物は、仏様やご先祖様の毎日の供養に欠かせない大切なものです。
マナーも大事ですが、真心が一番大事です。
日々の感謝などの気持ちを込めて、毎日仏さまにお供えをしたいものですね。