ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2020年6月26日
大師は弘法に奪われ、太閤は秀吉に奪わる
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
大師とは弘法大師だけではない
「大師は弘法に奪われ、太閤は秀吉に奪わる」ということわざをご存知でしょうか?
大師とは朝廷から高僧に死後に贈られる諡号で、弘法大師空海以外にもたくさんいらっしゃいます。
最初に大師号を贈られたのは天台宗の開祖である最澄(さいちょう)で、伝教大師という号を866年に賜りました。
ですが、お大師さんといえばそれはまず弘法大師のことを指すかと思います。
同じように太閤も豊臣秀吉以外にもいらっしゃいますが、まず太閤といえば豊臣秀吉のことを指します。
このことわざは元々は特定の誰かを表す言葉ではないにもかかわらず、ある特定の人を指す言葉になってしまうということなのです。
それ以外にも称号を奪われたと思われる有名なものを上げると「三蔵法師」でしょうか。
三蔵法師いえばあの西遊記の三蔵法師、玄奘(げんじょう)を思い浮かべるかと思いますが、三蔵法師というのは実は尊称であって他にもたくさんいるのです。
「大師は弘法に奪われ、太閤は秀吉に奪わる」の逆の現象
昭和後期では面白いことにこれとは逆に、特定の商標がまるで総称であるかのように広まることがいくつか見られました。
原付バイクのことを全て「カブ」と呼ぶ人もいました。
テレビゲームのことは全て「ファミコン」と言う人もいました。
携帯音楽プレーヤーのことは全て「ウォークマン」と言ったりしました。
この現象がことわざの大師や太閤にあったとしたら、大師を贈られた人たちは全て弘法で、太閤の称号を持つものは全て秀吉でしょうか…。