ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2020年6月2日

三月灯籠(みつきとうろう)

  • お仏壇と墓石の太田屋
  • 太田博久(代表取締役)

「三月灯籠(みつきとうろう)」ってなに?

恐らく多くの方が、そう思われることでしょう。

これは、私ども信州長野県の、しかも諏訪地域周辺に限定されたお盆の風習です。

かけがえのない方を亡くして初めて迎えるお盆(新盆)のお宅では、この三月灯籠を玄関先や軒先に吊るします。

初めてお帰りになる故人が道に迷わないための目印にしてもらえるよう、室内ではなく家の外に吊るすのです。そのため、数メートルの長いコードが付いています。

諏訪地域は8月盆ですが、この灯籠は7月に飾りつけ、8月のお盆、そして9月初めまでの「三月」にわたって吊るすことから「三月灯籠」の名前で呼ばれます。使用する地域の中でも、少し形が異なる場合もあります。

7月盆か8月盆か、盆棚(精霊棚)はどんな形か、迎え火と送り火のやり方は…等々、お盆には、今でも全国各地で異なる、独特な風習があるようです。

かつてあった地域ごとの風習が失われることも多い時代ですが、夏休み期間でもあり、多くの方が帰省する時期でもあり、各地でお祭りが開催される季節でもあるお盆は、その風習を体験的に受け継ぐことができる条件が残っているのかもしれませんね。