ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2020年5月29日

数字の単位も仏教用語

  • 株式会社ぶつだんのもり
  • もくりんくん
数の単位

追記 2022/08/12

大きな数字の単位

日本で数字の単位といえば、日常では「兆(ちょう)」までは使用するでしょうか。使ってもせいぜい「京(けい)」までぐらいでしょうか。

さらにそのもっと上の単位になると、漢字一文字ではないものが現れます。

一・十・百・千・万・億・兆・京・垓(がい)・秭(じょ)・穰(じょう)・溝(こう)・澗(かん)・正(せい)・載(さい)・極(ごく)…と続きその後、

10の52乗から4乗増えるごとに「恒河沙(ごうがしゃ)」「阿僧祇(あそうぎ)」「那由多(なゆた)」「不可思議(ふかしぎ)」「無量大数(むりょうたいすう)」と続きますが、いずれも仏教用語です。

「恒河沙」の恒河とはガンジス川の事で、沙とは砂の事です。ガンジス川にある砂ということでとてつもない数というようになります。

「阿僧祇」とは数えることができないという意味であり、「那由多」は極めて大きな数量という意味を持っています。

さらに「不可思議」とは、仏様の智慧や神通力が普通とは非常にかけ離れていて、言葉も心も遠く及ばないほどの境地を指します。

 

小さな数字の単位

小数点以下の単位である「分(ぶ)」「厘(りん)」のさらに少ない数の単位でも仏教用語が出てきます。

分・厘・毛(もう)・糸(し)・忽(こつ)・微(び)・繊(せん)・沙(しゃ)・塵(じん)・埃(あい)・渺(びょう)・漠(ばく)・模糊(もこ)・逡巡(しゅんじゅん)・須臾(しゅゆ)・瞬息(しゅんそく)…

小数の単位は1/10ごとに単位が変わるのですが、10のマイナス17乗の「弾指(だんし)」という単位は仏教で指を弾く行為「弾指(たんじ)」からきています。お寺様がお経を読んでいるときにも行われる行為ですね。これが極めて短い時間という意味で小数の単位としても使われています。

そして、さらにその下の単位である「刹那(せつな)」「六徳(りっとく)」「虚空(こくう)」「清浄(しょうじょう)」「阿頼耶(あらや)」「阿摩羅(あまら)」「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」も全て仏教用語です。

「涅槃寂静」などはいかにも仏教という感じがしますね。煩悩の炎の吹き消された悟りの世界である涅槃は、静やかな安らぎの境地であるという意味となります。極めて小さい数というものはその様な境地ということでしょうか。

 

数の単位