ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2020年5月16日
葛飾北斎と北辰妙見菩薩(ほくしんみょうけんぼさつ)
- 株式会社 ほこだて仏光堂
- 石巻店 阿部
5/10は葛飾北斎の命日です。
富士山を題材にした冨嶽三十六景のような浮世絵や
北斎漫画と呼ばれる様々な職人や妖怪等を描いた画集で
ヨーロッパにジャポニズム文化を広く知らしめたとして世界的に有名な浮世絵師です。
1998年に刊行されたアメリカの雑誌で「この千年で偉大な業績を上げた人100人」の中に
日本人で唯一選ばれたりもしています。
また生涯で93回も引っ越しをしてみたり、色々なトラブルも多かったりと
とても変わった人だったようです。
とはいえ、何か仏教に関わる話題が欲しい所・・・と思い調べてみました。
北斎は敬虔な仏教徒であったようで、仏教伝承画も多く描いておりました。
またこの北斎という名前も【北辰妙見菩薩】(ほくしんみょうけんぼさつ)に
ちなんで名づけられたと言われています。
【北辰妙見菩薩】の由来ですが、古代中国の道教では北極星は不動の物で
周りの星々は北極星を中心に回っている。
つまり北極星は星々の王なのだという所から元始天尊の化身である
玄天上帝と呼ばれておりました。
その後、仏教と共にこの思想も伝わり、こと日蓮宗においては「北辰妙見大菩薩」や
「北辰尊星」などと呼ばれています。
神道においても天の中心にあって星々を従えていることから
『天之御中主尊(あめのみなかぬしのみこと)』とも呼ばれています。
宗派を超えて広く信仰を集めていたのですね。
この玄天上帝の逸話にも面白いものがありまして、玄天上帝が魔王と戦った際、
魔王は青亀と白蛇に化けて戦いを挑みましたが上帝はそれを踏みつけ地獄送りにした。
その後その亀と蛇が絡み合っている姿は玄武と呼ばれ北の守護神となったというお話です。
また平家合戦の頃では北斗七星の破軍と呼ばれる星にちなみ
【北辰妙見大菩薩】は軍神として武士の信仰を広く集める事となりました。
その影響からか月と星をかたどった家紋が多く作られています。
【月に星】 【九曜紋】 【九曜に月】