ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2020年3月30日

和ろうそくのおはなし

  • おぶつだんの佐倉
  • 佐倉浩徳(代表取締役社長)

ろうそくは奈良時代に中国から仏教と共に伝えられました。それはハチの巣から取る蜜蝋が原料とされる蜜蝋燭(みつろうそく)でした。その便利さは重宝されましたが、とても高価な物で、中国からの輸入が難しくなると、より一層手に入りにくくなります。そこで日本独自の製法の和蝋燭が作られていきました。始めは松脂を材料に作っていましたが、それは燃焼時間の短いものでした。江戸時代になると、琉球王国からハゼの木が伝わり、ハゼの実を原料とした和蝋燭が主流となります。この頃には夜間に提灯で足元を照らし外出するようになり、和蝋燭の需要は高まり、生産量も急速に増えました。

皆さんのイメージする和蝋燭の形は、上部が太く下部にいくにつれ細くなっていませんか?この形は、提灯に蝋燭を入れ灯した時に、最後まで炎の大きさが変わらないよう計算されて造られているそうです。和蝋燭の原料は植物由来なので油煙がほとんど出ません。炎で溶けた蝋は液体になり、その液体が芯に吸い上げられ、炎とともに蒸発するので風のない場所では蝋垂れもしません。芯も糸ではなく、和紙か和紙にイグサを巻いたものを使うので蝋の吸い上げもよくススも少ないです。とても良いことばっかり!

芯の太い和蝋燭は炎も大きく、その分揺らめきも大きいです。植物由来の蝋で燃える炎の色は温かみがあり見ているだけで心が安らぎます。

外国人の方にも人気で、和蝋燭独特の形がクールだとか。特に絵ろうろくは人気があり、一本一本丁寧に描かれた日本の季節の花が喜ばれます。

最近ではカラフルでカワイイ和蝋燭なんかもあるので、インテリアとして置いてみたり、リラックスタイムに灯して、和蝋燭の力強い炎のヒーリング効果を味わってみてはいかがですか。