ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2020年4月14日
3、11を迎えた今、私が思う事
- 株式会社 ほこだて仏光堂
- 掬水苑いずみ 檜森正広
9年前私はタクシー会社に勤めており、私を慕ってくれる後輩から 「檜森さん、この度籍を入れて塩釜に越します、檜森さんの家の近くですよ」と 報告をくれたのが震災の2週間ほど前でした。 「3月12日に塩釜へ引っ越ししますのでよろしくお願いします」 私は報告を受けて 「報告をしてくれて有り難う、本当におめでとう」と肩をポンと叩いてあげると 彼は照れ臭そうに「有り難うございます」「落ち着いたらお祝いさせてね」 そうして迎えた3、11私は朝方までの仕事が明け、家で休んでいた時でした、 グラグラドドド!!想像も絶する揺れでした、 空前の被害に遭いましたが塩釜は高台が多く地盤が硬いので 宮城県沿岸都市部では被害の少ない方でした。 震災当日知っている限り1人暮らしのご高齢のお宅に安否確認に走っていましたが 見る限りは道路や建物の被害損傷は無かったように思います。 ですが、タクシー業務はしばらく休業なり業務開始に2週間を要してしまいその間彼の事が気がかりでした。 出社した時上司から震災の被害報告があり、後輩が亡くなった事を伝えられ、一家とも被害にあっていたを知りました。 3月11日はまだ東松島市野蒜にいた為に失われてしまった生命、 震災が少し後に来ていたら少し前に塩釜に越していたらと思わずにいられませんでした。 結婚を勝ち取る事ができた彼が生き残れず、 独身の私が生き残っている事への不条理と運命、 どの方向に運命の舵が切られるかどうか知る事はできないのだが、 生き残れた生命を恥じなく大切に生きていきたいと今日に至って感じています。