ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2020年3月9日
唐獅子牡丹
- 株式会社大越仏壇
- 商品部 小橋
刺青のデザインにもなっている“唐獅子牡丹”
神社仏閣などの彫刻に唐獅子牡丹が見られます。もしかしたら、ご自宅にも彫刻や蒔絵で飾られたお仏壇をお持ちの方もおられるのではないでしょうか?
この唐獅子牡丹。
唐獅子は、百獣の王ライオンがモデルとも言われています。
牡丹は、百花の王。
強い者同士の組み合わせでさらに力が増すことから生まれたデザインです。
百獣の王と百花の王で良い組み合わせとされ、男気の象徴で彫られる方が多いそうです。
唐獅子牡丹とは…
その獅子が、ただ一つ恐れるものがあります。
それは獅子に寄生する虫です。
その虫は獅子の体毛の中に寄生し、やがて皮を破り肉に食らいつき内側から内臓を食い破って身を滅ぼすそうです。
しかし、牡丹の花から滴り落ちる露にあたるとその虫は死んでしまいます。
そこで獅子は夜になると牡丹の花の下で休みます。
獅子にとって安住の地が牡丹の花の下なのです。
どうして、唐獅子牡丹が寺社仏閣やお仏壇に彫られているのか?
獅子身中の虫ということわざがあります。
お経の梵網経(ぼんもうきょう)の一節より
獅子に寄生しておきながら、獅子を死に至らせる虫の意味からで、もと仏教語で、仏教徒でありながら仏教に害をもたらす者のことをいいました。
唐獅子が私たち人間の事を表していて、害虫が自身を滅ぼしていく煩悩であり、牡丹が仏様を表しています。
唐獅子牡丹をみると、仏様が本当の自分たちのうぬぼれを気づかさせてくださり、戒めていただけます。