ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2020年2月17日
仏具のはなし「おりん(2)」
- 株式会社大越仏壇
- 商品部 小橋
材料のはなし
おりんは、硬い金属を鋳造して作られます。
大きくわけて、“真鍮”と“砂張(沙張・佐波理)”があります。
一般的におりんは真鍮です。
真鍮と言っていますが、シルジン青銅製です。
シルジン青銅とは…
真鍮にケイ素を混ぜたものです。
昭和の初めに発明された金属で、船のスクリューなどに使われています。
普通の真鍮より硬いので、砂張の代用としておりんに使われるようになった金属です。
砂張(佐波理・響銅)とは…
銅と錫の合金です。
鋳造が難しく(焼型での鋳造)高級品になります。
とても硬いのですが、繊細なため落すと割れてしまうことがあります。
叩くと良い音がすることから響銅とも書きます。
ゆっくりとした共鳴音と細かい共鳴音が混ざり合い、耳に心地よく響くのが特徴です。
さらに、上記の特徴に加えゆったりとしたうねりを調音したおりんを作っているりん工房さんもあります。
なお、寺院用の鏧子は“打ち物”と言われ、手打ちや機械打ちされたものです。
鋳造によるおりんとは見た目も材質も異なり、音も独特です。