ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2020年2月13日
私の好きな仏教由来のことば ~ごちそうさま~
- お仏壇と墓石の太田屋
- 太田博久(代表取締役)
子どもの頃から、私の食後の言葉はずっと「ごちそうさま」ではなく「いただきました」でした。
東京で浪人生活をしていた尞で「いただきました」と言ったところ、友人たちからとても不思議がられ、初めて信州の方言のようなものだと知りました。
食前が「いただきます」なのだから、食後が「いただきました」で何がおかしいんだ?
少し抵抗もありながら、それ以来「ごちそうさま」と言うようになり、後に意味を知るようになってからは、私のとても好きな言葉になりました。
「ごちそうさま」を漢字で書くと「ご馳走さま」。
「ご馳走」といえば、今は「おもてなしの豪華な料理」といった意味合いで使われます。でも「馳せる」と「走る」で、元々は「走り回る、駆け回る」という意味があります。
私たちがいただく食事には、大勢の人たちが関わっています。
お米を作る人、お店で売る人、農機具を作る人、運ぶ人、そのための道路や車を作る人、その部品や材料を作る人等々…。たどり続けていけば、きっと想像もつかない夥しい数の人たちになるでしょう。
その一人ひとりが、自分の役割を果たそうと汗を流し、一生懸命に「走り回って」います。
目には見えないけれど、多くの人たちの働き(馳走)のお陰で、いま私は食事をいただくことができるのですね。
そんな人たちに感謝を込めて、”ごちそうさま。”