ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2019年12月12日
新御霊(あらみたま)
- お仏壇と墓石の太田屋
- 太田博久(代表取締役)
日本全国には、地域ごとに特色ある供養の風習があります。
私たちの信州には「新御霊(あらみたま)」というものがあります。
暮れの12月、今年かけがえのない大切なご家族を亡くされたお宅に「今年は寂しいお年越しでいけませんね…」といったご挨拶をしながら、金品を持参し改めてお見舞いに伺います。
南北に長い信州の真ん中から南にかけて、中南信と呼ばれる地域に多い風習だと聞いていますが、弊社店舗の感覚では、長野市でも見受けられる地域もあるようです。また、南信でも伊那市ぐらいになると少なくなるようです。
私自身も数年前まで、弊社でご葬儀のお手伝いをしたお取引先等に「新御霊」としてお見舞いに伺っていました。ですが、この風習をご存知の方々が年々減少し、ここ数年はお見舞いに伺っても不思議がられるようになり、かえってご迷惑をおかけする気がして控えることが多くなりました。
亡くなられた方やご遺族に気持ちを届ける風習のひとつが失われていくことに一抹の寂しさを感じますが、風習というものは「暮らし方」そのものが反映されるものですので、時代の変化の波を直接受けざるを得ないのだと思います。