ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2019年8月26日
8月は亡き方々を思う季節
- お仏壇と墓石の太田屋
- 太田博久(代表取締役)
8月6日の広島から9日の長崎へと続く原爆被爆者慰霊の日、15日の終戦記念日。8月は先の戦争で亡くなられた方々の慰霊行事が続きます。戦没者の追悼ばかりでなく、12日には日航機墜落事故の慰霊行事も行われています。その他にも、この時期の災害の多さを考えると、私の知り得ない被災者慰霊行事が全国各地で行われているかもしれません。
それと同時に、8月はお盆の季節。ずいぶん昔から、生きている私たちを見守ってくれる存在としての亡き方々が彼岸の世界から帰って来る時期でもあり続けています。普段の慌ただしい日々の中で亡き方々を意識する機会のない人たちも、この時期には何らかの形で意識し、自分の中に存在する亡き方々を、あるいは自分が「亡き方々と共に生きている」ことを、ほんの一瞬でも確かに思うことになるのでしょう。
人は死んだら「無」になる。そう考える人も多いかもしれません。私もその考え方をまったく否定するつもりもありません。しかし、毎年8月になる度に行われる多くの慰霊やお盆の行事を思うと、たとえ一度は「無」だと捉えた人でも、自分の中に確かに居る「目には見えない亡き方々」の存在を否定することは決してできないだろうと思います。
葬送や供養を生業にする家庭に育った影響もあるかもしれませんが、私にとって8月は、ずっと普段とは違う特別な季節であり続けています。「壮大な送り火」としての花火に見送られ、今年も多くの亡き方々が、私たち生者の中に改めて「確かな存在」としての居場所を見つけ、また彼岸の世界へと帰っていったことでしょう。