ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2022年6月11日

夏の風音

  • ほこだて仏光堂
  • 薄木 葉子

先日お墓を建てて、寄り添う事が出来た
お客様(K様)の事を書きたいと思います。

K様は、お父様とお姉様が別々のお墓にいらした事もあり、
一緒にいられるようにと、お墓のご縁を頂いたお客様です。

「桜の名所だった故郷福島の桜を、
どうしても親父と姉にもう一度見せたいんだ。」
原発でもう帰れないご実家のあるふるさとを、
とても懐かしくお話しされたK様。

そこで私は考えました。
お墓に桜のイラストをお入れして
その下にお父様とお姉様のお2人に見立てて、
お地蔵様を刻んだら如何かと。

そうして出来上がった大事なお墓に、
先週ご納骨をされたK様。
「父も姉も喜んでいると思います。ご相談して良かったです。」と、
ご納骨の際に涙ぐんでいらっしゃいました。

世界で一つだけのお客様の大事なお墓に、
心を込めて、想いをお入れする事が出来ました。

納骨から帰る際、
2人でゆっくりお眠り下さいと、手を合わせた時に
初夏の風音から「ありがとう」と聴こえたような気がしました。