ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年12月10日

四国八十八箇所

  • 株式会社ぶつだんのもり
  • もくりんくん
四国八十八箇所

四国八十八箇所とは、弘法大師・空海にゆかりのある四国の88ヶ寺の総称であり、それらをお参りして巡る「四国巡礼」は日本で最も有名な巡礼ではないでしょうか。

四国八十八箇所は親しみを込めて「お四国さん」とも呼ばれたりします。そして、巡拝する人のことは「お遍路さん」と呼ばれます。

また、八十八箇所のお寺は「札所(ふだしょ)」とも言われ、1番から88番までの番号が充てられ、「◯番札所 △△寺」といったように呼ばれます。

 

四国四県のお寺

四国八十八箇所は第一番札所霊山寺(りょうぜんじ)から始まり、二十三番札所薬王寺までが徳島県となり、「発心(ほっしん)の道場」といわれます。

二十三番札所薬王寺からは高知県室戸岬の二十四番札所最御崎寺(ほつみさきじ)までと長い道のりとなり、歩き遍路の人は1日歩いても次の札所に到着しない箇所になります。

高知県は二十四番札所最御崎寺から三十九番札所延光寺までとなり、「修業の道場」といわれます。この間の三十七番札所岩本寺から三十八番札所金剛福寺は、二十三番札所~二十四番札所よりも距離が長くまる二日札所に着かず歩きっぱなしともなります。

愛媛県は四十番札所観自在寺から六十五番札所三角寺までで「菩提(ぼだい)の道場」といわれます。この間にも札所間が長距離なる箇所があり、四十三番札所明石寺(めいせきじ)から四十四番札所大寶寺(だいほうじ)は、先ほど紹介した区間よりも距離は短いながらも山道となります。

最後の香川県は六十六番札所雲辺寺(うんぺんじ)から八十八番札所大窪寺(おおくぼじ)までとなり、「涅槃(ねはん)の道場」といわれます。

 

お遍路さんの持ち物

四国八十八箇所を巡礼する為の持ち物がいくつかあります。

輪袈裟(わげさ)

輪袈裟肩から胸にかけて垂らすようにして身につける略式の袈裟。これを身につけることにより参拝の正装となります。食事やトイレの際には外すようにします。

白衣(びゃくえ)

白色の着衣です。四国八十八箇所巡礼専用のものもあり、背中に「南無大師遍照金剛」と書かれていたり、弘法大師・空海の肖像が描かれていたりします。

また、着用していない白衣に御朱印をいただいたりもします。

菅笠(すげがさ)

日光や雨などから頭を守る笠です。この笠は参拝時に境内でも脱がなくてもよいとされています。履物を脱がなければならない場所以外では身につけたままでいいのです。

金剛杖(こんごうづえ)

木製の杖で、塔婆の形をしています。かつて、行き倒れた巡礼者の卒塔婆として使われたとも言われています。頭部を直接手で持たない、橋の上ではつかないといった習わしがあります。

納札(おさめふだ)

納札お参りをした証として納める札。1ヶ寺で本堂と大師堂でそれぞれ1枚ずつ、合計2枚を納めます。

また、巡礼中の名刺代わりとしてや、お接待(*1)を受けた際にお礼として渡したりもします。

通常は白色の札ですが、結願(*2)を繰り返した回数により、緑→赤→銀→金→錦と札の色を変えることができます。

*1 お接待:お遍路さんに対して地元の人が様々な施しをしてくれる風習。

*2 結願(けちがん):88箇所を全て廻りきること。

納経帳

本堂・大師堂にお経を納めた証として御朱印をいただく帳面です。帳面ではなく、掛軸にいただく納経軸や、御朱印用の白衣もあります。

 

お参りの仕方

お参りの仕方には色々なやり方があるのですが、一例としてご紹介します。

  1. 1.山門前で一礼。
  2. 2.手水舎にてお清め。
  3. 3.可能な場合は鐘楼堂にて鐘撞(かねつき)。(※鐘撞が不可の所もあります。)
  4. 4.本堂で燈明・線香・賽銭を奉納し、納札、あるなら写経を納める。
  5. 5.般若心経や大師宝号などを読経。
  6. 6.大師堂でも同様に4~5を行う。
  7. 7.納経所にて御朱印をいただく。
  8. 8.山門を出て一礼。

 

お寺の廻り方

四国八十八箇所の巡礼はどのお寺からどのように巡礼してもよいとされています。ですので、廻り方にも色々とあります。

ちなみに四国八十八箇所のお寺に参拝することを「打つ」と言います。

順打ち

一番札所から順番に八十八番札所まで巡礼する方法です。

逆打ち

八十八番札所から逆廻りに一番札所まで巡礼する方法です。歩き遍路の場合、順打ちよりも過酷になると言われています。

かつて衛門三郎(えもんさぶろう)という人が弘法大師・空海に会うために順打ちで追いかけたがいつまでたっても出会えなかった為、逆廻りをしたところ出会う事ができたという言い伝えがあります。そして弘法大師・空海に出会えたのが閏年(うるうどし)であったことから、閏年に逆打ちにて巡礼することは3倍のご利益があるといわれています。

うるう年の四国八十八箇所巡礼

乱れ打ち

乱れ打ちという名称は最近になって付けられた言葉ですが、順番に関係なく巡礼する方法です。

通し打ち

一度の旅で八十八箇所を全て廻りきる巡礼の仕方です。

区切り打ち

今日はここまで廻って家に帰るといったように、何度かに分けて八十八箇所を廻る方法です。

一国参り

区切り打ちで、八十八箇所を徳島・高知・愛媛・香川の4回に分けて廻る方法です。