ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年11月27日

「捨てる事」が苦手な日本人

  • ほこだて仏光堂
  • 早川 登

人はなぜ、悩み、苦悩するのか
仏教はこの問題について紀元前から、向かい合ってきました。

現代においても、様々な悩みや苦悩を抱いている方々が多いと存じます。

その苦悩を掘り下げていった時に、理想と現実のギャップというものがひとつにあります。
耳を傾ければ
「年収500万以上の男性じゃないと結婚する気になれない」
「職場に嫌なこの人がいる限りストレスが溜まる一方だ」
「病気にかかってさえいなければもっと色々できたのに」
「もっと歳が若ければチャレンジできていた」
など
『これはこうじゃなきゃダメだ』
『こうしないと幸せになれない』
そういった思い込みや執着も、悩みを深めている原因の一つかと存じます。

禅のことばに「放下着(ほうげじゃく)」というものがあります。
放下とは「投げ捨てる、放り出す、捨て切る」という意味があります。
放下着とは、すべての執着を捨てるという意味です

とかく、日本人は何に対しても「捨てる事」が苦手です。

携帯ひとつにしても、機能を
「これも足そう!」「あれも取り入れよう!」
とたくさんつけていき、高みを目指したつもりが、ガラパゴス化を起こし、世界標準から取り残されてしまいました。
そして必要な機能のみを残して余計な物を取り去ったスマートフォンが台頭し、日本の高機能携帯は世界から不要とされてしまったのです。

考えてみれば高機能な携帯で、どれだけ使った機能があったでしょうか?
おそらく100%使いこなした人はほとんど居なかったかと思います。

「不要なものを削る」

執着心が持つプラスのエネルギーが、いつからか苦を生むエネルギーに変わっていくという事もあります。
自分自身のこだわりや価値観が、自分自身を追い詰めてしまっている事もあります。

執着する事を捨て、心を軽くする。

仏教の放下着の教えは、そんな方への処方箋になるかもしれません。