ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年11月15日
精進落とし
- 株式会社大越仏壇
- 商品部 小橋
葬儀後の会食である「精進(じょうじん)落とし」。
かつては忌明けの食事のことを指していましたが、現代では時代の流れやコロナ禍の影響もあり、振舞われる
食事の内容や目的などが変化してきています。
精進落としとは、初七日の法要の後に、僧侶や葬儀を手伝ってくれた人たちに感謝の気持ちを込め設けられる
会食の事です。
“精進落とし”の呼び方は地域によりさまざまで、お斎(おとき、おとぎ)、精進明け、精進上げ、精進落ちなどと
言って呼び方が変わります。
元々は四十九日の忌明けの際に食べる料理のことをこう呼んでいました。
昔は、四十九日までは肉や魚などの殺生を控え、菜食を中心とした精進料理を食べる習わしが一般的でした。
そして、四十九日が終わり精進期間か終わると普通の生活に戻った事を周りに知らせるという意味で
「精進落とし(精進上げ)」を行い、遺族は久しぶりの御馳走として肉や魚を口にしてもいいとされていました。
しかし、現在では通夜の席でも生ものや肉・魚をふるまう事も多くなっており、殺生を控える精進料理を
食べる事は少なくなりましたが、今でも法要後に行われる会食のことを「精進落とし(精進上げ)」と
呼んでいます。
僧侶や会葬者をもてなすのが一番の目的ですが、コロナ禍の昨今ではお弁当にして持ち帰って頂くパターンや、
個々に分かれたオードブルを用意するなど、以前とは違ったパターンも増えているそうです。
葬儀の準備や進行などで緊張した日々を過ごした喪主や遺族は、張りつめていた気持ちを少しゆるめ、
故人の話に花を咲かせながら精進落としを楽しむことが出来る日です。