ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年10月15日
「行年」と「享年」
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
位牌や墓誌に故人の年齢を刻む場合、年齢の前に「行年(ぎょうねん)」と入れる場合と「享年(きょうねん)」と入れる場合があります。
この、行年と享年とは何が違うのでしょうか。
行年とは満年齢で享年とは数え年
行年
行年は、この世に生まれてからこの年齢まで修行をしたという意味を持っています。
行年は一般的に、私達が日常的に使用している年齢の数え方である満年齢を使用することが多いです。
満年齢とは生まれた時を0歳とし、誕生日を迎えると1歳増えるという年齢の数え方です。
享年
享年は、天から享けた年数という意味を持っています。
享年は一般的に数え年を使用することが多いです。
数え年とは日本で昔使用していた年齢の数え方で、生まれた時を1歳とし、1月1日に1歳増えるという年齢の数え方です。ですので、年末に生まれた場合はすぐに2歳となります。
※必ずしもそうではない場合もあります。行年を数え年で享年を満年齢とする場合もあるようです。
行年と享年のどちらを使用するの
基本的にはお寺にいただいた白木の位牌どおりに彫ります。
行年を使用するか享年を使用するかはお寺や地域の考え方によってバラバラですので、あまり深く考えなくとも位牌は出来上がるかと思います。
ですが、実際に亡くなった年齢と刻まれた年齢が違う場合に疑問に思うかもしれませんので、数え年の場合もあるということを知っておくと良いかと思います。
最近では分かりやすいので、満年齢の行年を使用される場合が多くなってきているようです。
歳と才
位牌や墓誌に刻む年齢に関する文字で、もう一つ違いがあるのが「歳」なのか「才」なのかという事です。
基本的にはどちらを使用しても問題はありません。
年齢の単位として使用した際には、これらの字には、特に意味の違いも無いかと思われます。
そもそもは「歳」の方が年齢を意味する正式な文字で、「才」には年齢の意味は元々無い文字だったようです。それが、年齢は書く頻度が高いにもかかわらず、「歳」の字は画数が多いので面倒くさい事から、同じ読みで3画で簡単に書ける「才」が代用で使用されるようになったといわれています。
現在では年齢に「才」の文字を使用することも認められているので、どちらを使用しても間違いではないのです。