ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年10月1日
卒塔婆って何なの?
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
「卒塔婆」。その読み方は「ソトバ」です。
墓地でお墓の後ろに立ててある木の板が卒塔婆です。
その卒塔婆にはどんな意味があるのでしょうか。
仏塔 ストゥーパ
現在の日本で卒塔婆と言われると木製の板ですが、元々はインドに於いてのお釈迦様の遺骨を納める為の仏塔が由来です。この仏塔の事を「ストゥーパ」と言い、中国へと伝わった際に漢字の「卒塔婆」があてられたのです。
それがそのまま日本に伝わり、読み方も少し簡略化され「ソトバ」となりました。また、塔婆(とうば)と略されることもあります。
日本で簡素化された仏塔
日本に伝わった卒塔婆も元々は仏塔を指していました。五重の塔から始まりまして、庶民でも建てられるように五輪塔に、そしてより簡素化され、五輪塔の形の木の板の現在の卒塔婆になったといわれています。
卒塔婆の形は、上部の方の左右の端にいくつかの切れ込みがあるかと思います。その切れ込みによって出来上がった形は、五輪塔と同様で、宇宙やあらゆる世界を構成する要素と考えられている「五大」を象徴する地・水・火・風・空を表しています。
卒塔婆を立てる事は善行
では卒塔婆を立てる意味は何でしょうか。それは追善供養となるからです。追善供養とは、生きている人が亡くなった人の冥福を祈り供養することが善行となり、故人は成仏できるといわれています。
卒塔婆は、立てる事自体が善行となり、追善供養となるのです。
ですので、浄土真宗は阿弥陀如来の力によってすぐに成仏できるという考えの為、追善供養を行いませんので、卒塔婆は立てないのです。
卒塔婆の長さ
卒塔婆の長さには様々なものがあります。標準では1尺(約30cm)~6尺(約180cm)があり、7尺(約210cm)を用いる所もあります。仏教としての一般的には長さに決まりはないとされていますが、地域やお寺によって決まりがある場合もあります。
徳島では、年忌法要毎に卒塔婆を用意し、回数を重ねる毎に長くなっていきます。仏具店でも「◯回忌用の卒塔婆」というように売られていたりします。
また、地域によっては施主用と参列者用で長さの決まりがある場合などもあるそうです。
卒塔婆に書かれる文字
卒塔婆には文字が書かれています。お寺様が卒塔婆に直接文字を書いてくれますが、お寺によってはその数は膨大となってしまうため、最近では卒塔婆専用のプリンターなどもあって、印刷されることもあるようです。
卒塔婆に書かれる文字は宗派やお寺様により異なりますが、以下のようなものが書かれます。
・戒名、法名 ・命日 ・経文 ・題目 ・梵字 ・施主名 ・供養年月日
梵字は、五輪塔のように地・水・火・風・空を表すア・バ・ラ・カ・キャを書かれたり、大日如来を表す梵字であったり、供養した日にちなんだ梵字であったりします。
卒塔婆の処分
卒塔婆を立てた事による功徳はその日のみと言われています。役目を終えた卒塔婆は通常のゴミと同様に処分しても問題ありません。お寺様によってはお焚き上げ等で処分してもらえる場合もありますのでお尋ねしてみても良いかもしれません。
地域によっては、卒塔婆はずっと立てっぱなしで、風化をしてもそれで良いとされているところもあります。ですが、卒塔婆を立てる卒塔婆立ての差す箇所にも限界がありますので、もう差すことができないとなる前には処分をしておいた方が良いかもしれません。