ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年9月24日
おりんとは
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
おりんを鳴らす意味
おりんは梵音具(ぼんおんぐ)といわれる、音を鳴らす事に意味のある仏具です。
お寺様が読経の際に区切りで鳴らしたり、リズムを合わせたりするために鳴らしたりします。
また、我々が日々のお参りの際に、線香をあげて合掌をする前に鳴らしたりもします。
おりんの音は、邪気を払って場を清めるとされています。また、その音は我々の祈りや供養の想いを乗せて浄土にまで届くといわれています。
おりんの置き方
おりんは一般的には、りん布団といわれる座布団の上に置きます。りん布団には衝撃を吸収したり、おりんが転がるのを抑えるといった役割があります。
りん台という木製や樹脂製の台の上にりん布団を置き、その上におりんを据えることも多いです。経机の上に置く場合はりん台は不要といわれる場合もありますが、りん台を使用しても特に問題はありません。下におりんを置く場合はりん台を使用した方が良いといわれています。
りん布団やりん台は宗派によって形などに指定がある場合もあります。
浄土真宗本願寺派
りん布団・りん台共に六角形の物を使用します。
真宗大谷派
りん布団は使用せず、金襴輪(きんらんわ)といわれるドーナツ状の金襴を角型の香炉の上に置いて、その上におりんを据えます。
おりんの内側を叩くか外側を叩くか
おりんは基本的には外側を叩くといわれていますが、お寺様によっては内側を叩く場合もあります。
また、地域によって違いがある場合もあり、家の人は内側を叩いて家の人でない場合は外側を叩くという慣習の地域も聞いたことがあります。
絶対に外側を叩かなければならないとか内側でないといけないとかいう決まりはないかと思います。
宗派による鳴らす回数の違い
仏教の各宗派によって、日々のお参りの際でのおりんの鳴らす回数が異なります。
真言宗
2回鳴らします。1回目を優しく、2回目を少し強めに鳴らします。
曹洞宗
3回おりんを鳴らし、念仏を唱え、終わったら再度3回鳴らします。お寺様によっては2回鳴らすとしている場合もあるようです。
浄土宗
読経する時にだけ、経本に記されている回数だけ鳴らすとされています。
浄土真宗
合掌のみの場合は鳴らさず、読経する時にだけ経本に記されている回数だけ鳴らすとされています。
おりんのお手入れ
おりんの普段のお手入れは、やわらかい布で乾拭きするのが間違いないです。
汚れが落ちない場合は専用の磨き剤を使用してください。
着色されているおりん、クリア塗装されているおりん、メッキ加工されているおりんは研磨剤入りのものは避けてください。
研磨剤の入っていない浸けるタイプの溶剤などもありますので、そういったものを使用してください。
研磨剤で磨く場合は筋に沿って横方向に磨くときれいに磨くことができます。磨いた後は真鍮用の防錆剤を使用するとサビを防ぐことができます。
砂張りん
砂張(さはり)というおりんを聞いたことはないでしょうか。
砂張とは銅に錫(すず)を加え、さらに銀と鉛を配合した合金です。「佐波理」などと書かれる場合もあります。
砂張を使ったおりんは最高級とされ、最高の音だと言われています。
その音色は深みのある、うねりを伴ったような長く響く余韻が特徴です。
金のおりん
金額にして100万円を超える、金でできたおりんもあります。よく響く高めの音色のおりんです。
相続税が非課税
おりん等の日常で仏事ごと等に使用している物は、「祭祀財産」といって相続税が非課税となります。
このような事も含めて、金そのものに価値があるため、節税対策という事も兼ねて金でできたおりんを購入される方もいらっしゃいます。
非課税とするためには日常使用していなくてはならないので、箱に入れてしまっているのは課税対象になるといわれています。
18金
金はやわらかい金属ですので、おりんにするの場合は18金である場合がほとんどです。金の配合は24分率で表されますので、18金とは75%が金という事です。
様々なかわったおりん
最近では、モダンなタイプの仏壇にも合うように、様々なおりんがあります。
小型でりん布団不要の高台と一体のおりんや、軸の上で叩くとゆらゆらと揺れるおりんもあります。
ローソク立てや線香香炉と一体となったようなおりんもあります。
色も昔ながらの金色だけでなく、青系や赤系、パステルカラーのような色のおりんもあります。
色々なデザイン性や機能性の高いおりんが販売されていますので、お好みのものを探してみてもよろしいかと思います。