ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年8月13日
御霊供膳(おりょうぐぜん)
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
御霊供膳とは
御霊供膳とは仏様やご先祖様にお供えする精進料理です。
字は御霊具膳と書かれる事もあります。「御」は付けない場合もあります。読みは(おりょうぐぜん)ですが、(おれいぐぜん)と言われることもあります。
仏教における供養のひとつである「飮食(おんじき)供養」にあたり、毎日のお勤めでは仏飯器(ぶっぱんき)や茶湯器(ちゃとうき)を用いてご飯やお茶をお供えしますが、法事などの特別な日には一汁三菜にご飯の御霊供膳をお供えします。
なぜ2セットあるの?
御霊供膳のセットは正式には、大小の2組のセットとなっています。これは、大きい方が仏様用で、小さい方がご先祖様・故人用というようになっています。
向かって右の上座に大きい方をお供えします。
御霊供膳の並べ方
御霊供膳にはそれぞれの椀にどのような料理を入れるかが決まっています。
その各椀の並べ方は宗派によって少し異なります。
- ①親椀(おやわん) : ご飯
- ②汁椀(しるわん) : みそ汁やお吸い物
- ③平椀(ひらわん) : 煮物
- ④壺椀(つぼわん) : 煮豆や胡麻和え等の和え物
- ⑤高坏(たかつき) : 漬物等の香の物
お箸を手前に置き、取りやすいようにお膳の縁に乗せましょう。そして、お箸側が仏様の方に向くようにお供えしましょう。お供えする際にはお椀の蓋はとりましょう。
(地域によって、お箸をご飯に立ててお供えするところもあります。)
また、浄土真宗では、亡くなるとすぐに阿弥陀佛の力によって浄土へ往き仏となる考えのため、飮食供養は行いませんので御霊供膳自体使用しません。
御霊供膳の料理
料理は白飯と一汁三菜が基本となります。
精進料理ですので、肉や魚を使用しません。煮物で使うダシも動物性のものは避けたほうが良いとされています。
仏教において、刺激が強くて修行の邪魔となるため口にすることを禁じられている「五辛(ごしん)」といわれる「韮・葱・蒜・薤・薑 (ニラ・ネギ・ニンニク・ラッキョウ・ショウガ)」も使わないようにしましょう。
また、高坏にお供えする香の物は3切れだと「身を切る」といわれるため、2切れを盛り付けるのが良いとされます。
最近では、フリーズドライ製法の仏膳用の料理もありまして、電子レンジやお湯で戻すだけで御霊供膳用の料理が出来上がるため、非常に人気が出てきています。
料理の種類もいくらか増えていまして、いつも同じ料理だということを避けることも出来るようになっています。
もちろん食べられますので、お供えした後のお下がりとしていただくこともできます。