ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年8月6日
ふくさのマナー
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
ふくさとは
古来、日本では贈答品を素手で受け取ることは非礼とされ、 献上台、包みふくさ、進物盆等による贈答様式がとられてきました。
ふくさとは、贈答品を汚さないように包んで持ち歩くものであり、渡す時には台の替わりにもなる布です。
漢字では「袱紗」と書きます。
現在では、主に冠婚葬祭での祝儀・不祝儀の熨斗袋(のしぶくろ)を持ち運ぶ際に使われます。
ふくさの種類
ふくさには、大きく分けて、風呂敷のような一枚布のものと、挟むようにして使用するものがあります。
風呂敷タイプ
風呂敷のようなタイプは古くからある正式なもので、正方形の一枚の布のふくさです。
正方形の布ですので、自分で綺麗に包む必要があります。
包んでいる布が開けるのを防ぐために、留めておく為のツメが付いたものもあります。
固い板状の台が付いた「台付きふくさ」というものもあり、熨斗袋の形が崩れるのを防ぎつつ、お渡しする際の台となります。
挟み込みタイプ
挟むようにして使用するタイプは一般的に「金封袱紗(きんぷうふくさ)」と呼ばれます。
熨斗袋を布製の封筒のような造りのものに差し込むだけで簡単に使用できるようにしたふくさです。
やわらかいものとある程度固めのものがあり、やわらかいものは従来の風呂敷タイプのような感じで、固めのものは熨斗袋が折れ曲がったりするのを防ぐことが出来ます。
ふくさの色と模様
ふくさには、慶事か弔事かによってふさわしいとされる色や模様があります。
慶事用の色
慶事用とされるふくさには、朱色や赤色、エンジ色等の赤系統の色が多いです。赤系統の色でなくとも、明るい色、暖色系の色なども慶事用となります。
弔事用の色
弔事用とされるふくさは紺色や鼠色等の暗めの色となります。
慶弔両用の色
また、慶弔どちらにも使用できるとされていますのが、紫色です。紫色でも濃い紫色が慶弔どちらにも使用できます。
慶事用の模様
慶事用とされるふくさは、松竹梅や鶴亀等のおめでたい模様が刺繍されていたりします。また、最近では色々な花や蝶などの柄のものもあります。
弔事用の模様
弔事用とされるふくさは、蓮や菊等の模様が刺繍されていたりします。
つまり、濃い紫色の無地のふくさであれば慶弔どちらでも使用できます。
慶弔両用の台付ふくさは、台の色が表裏で違うリバーシブルとなっているものもあります。
ふくさの包み方
風呂敷タイプのふくさは1枚の布ですので、熨斗袋を包まなくてはいけません。
包み方は、慶事用と弔事用とで左右上下が逆になります。慶事は右開き、弔事は左開きとなります。
挟み込みタイプのふくさも同様に、慶事の場合は右開きになるように、弔事の場合は左開きになるように、それぞれ熨斗袋を差し込んでください。
慶事用のふくさの包み方
- 1.◆の向きに広げたふくさの中央から少し左にずらした位置に熨斗袋を置きます。
- 2.熨斗袋の左側の◀を熨斗袋の左辺から右側に折ります。
- 3.熨斗袋の上側を熨斗袋の上辺から下に折ります。
- 4.熨斗袋の下側を熨斗袋の下辺から上に折ります。
- 5.熨斗袋の右側を熨斗袋の右辺から左に折ります。
- 6.左側にはみ出た◀を折り返します。
弔事用のふくさの包み方
- 1.◆の向きに広げたふくさの中央から少し右にずらした位置に熨斗袋を置きます。
- 2.熨斗袋の右側の▶を熨斗袋の右辺から左側に折ります。
- 3.熨斗袋の下側を熨斗袋の下辺から上に折ります。
- 4.熨斗袋の上側を熨斗袋の上辺から下に折ります。
- 5.熨斗袋の左側を熨斗袋の左辺から右に折ります。
- 6.右側にはみ出た▶を折り返します。
ふくさを使った熨斗袋の渡し方
慶事の風呂敷タイプ
- 1.右開きになるように持って、折り返している部分を右手で開き、開いた部分を裏側に折り返して左手で押さえます。
- 2.下側を開いて、右手で熨斗袋を下側に引き抜きます。
- 3.開いた部分を裏側に折り返して左手で押さえます。
- 4.熨斗袋をそのまま左手に持っているふくさの上に載せます。
- 5.ふくさごと時計回りに180度回して、相手が文字を読めるようにして、お祝いの言葉を添えて渡します。
慶事の台付ふくさ
- 1.右開きになるように持って、折り返している部分を右手で開き、開いた部分を裏側に折り返して左手で押さえます。
- 2.以降、包んだときと逆の手順で開いて、裏側に折り返していきます。
- 3.台の上に熨斗袋が載った状態になったら、ふくさごと時計回りに180度回して、相手が文字を読めるようにして、お祝いの言葉を添えて渡します。
慶事の挟み込みタイプ
- 1.右開きになるように持って、右手で開きます。
- 2.熨斗袋を取り出し、閉じたふくさの上に載せます。
- 3.ふくさごと時計回りに180度回して、相手が文字を読めるようにして、お祝いの言葉を添えて渡します。
弔事の風呂敷タイプ
- 1.左開きになるように持って、折り返している部分を左手で開き、開いた部分を裏側に折り返して右手で押さえます。
- 2.上側を開いて、左手で熨斗袋を上側に引き抜きます。
- 3.開いた部分を裏側に折り返して右手で押さえます。
- 4.熨斗袋をそのまま右手に持っているふくさの上に載せます。
- 5.ふくさごと半時計回りに180度回して、相手が文字を読めるようにして、声量を落とし、静かにお悔やみの言葉を添えて渡します。
弔事の台付ふくさ
- 1.左開きになるように持って、折り返している部分を左手で開き、開いた部分を裏側に折り返して右手で押さえます。
- 2.以降、包んだときと逆の手順で開いて、裏側に折り返していきます。
- 3.台の上に熨斗袋が載った状態になったら、ふくさごと半時計回りに180度回して、相手が文字を読めるようにして、声量を落とし、静かにお悔やみの言葉を添えて渡します。
弔事の挟み込みタイプ
- 1.左開きになるように持って、左手で開きます。
- 2.熨斗袋を取り出し、閉じたふくさの上に載せます。
- 3.ふくさごと半時計回りに180度回して、相手が文字を読めるようにして、声量を落とし、静かにお悔やみの言葉を添えて渡します。