ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2022年8月1日
夏といえばお盆
- (株)佐倉幸保商店
- 佐倉浩徳(代表取締役社長)
日本の夏と言えば、思い出すのはやっぱりお盆ですよね。
毎年お盆になるとご先祖様があの世から帰ってきて、家族と一緒に数日間を過ごします。そのために家族は迎える準備をし、期間中も供養をします。子どもの頃から当たり前に過ごしてきたこの伝統行事ですが、世界各国からすると珍しい行事だそうです。同じ仏教圏のアジア諸国では、同じような時期に先祖供養をする国はありますが、あの世から亡くなった方が帰ってくるという風習はないそうです。
近い行事で最も有名なものと言えば、アメリカを中心に発展したハロウィンです。しかしハロウィンは、元々古代ケルト人の文化が始まりで、1年の終わりの日に(秋の終わりの10月31日を1年の終わりとしていました)死者の霊が家族を訪ねて戻ってくると信じ、悪霊や魔女なども一緒に戻ってくるとされていたため、魔除けの仮面をかぶり火を焚いて追い払っていたことが始まりです。それが収穫祭などの意味も含み、今では仮装イベントとして世界中に広まっています。
日本では仮装こそしませんが、『迎え火』『送り火』と火を焚く風習はあります。ご先祖様が迷わず戻って来れるよう目印として迎え火を焚き、無事に戻れるよう願いを込めて送り火を焚きます。元々は仏教の中心的な教えではなく、仏教が日本へ伝わる以前の神道の影響からできたとされています。仏教の教えは人々を苦しみから救うことを中心とされていますが、神道の先祖崇拝の文化とあいまって日本独自の今の形となったのです。お盆に開催される盆踊りも元々はお迎えしたご先祖様をもてなすための踊りです。由来は仏教の念仏踊り(念仏を唱えながら踊るもの)がご先祖様への供養と結びつき、今の盆踊りとなりました。今では子どもからお年寄りまで楽しみにしている大切な地域の行事となっています。
お盆になると多く人が故郷へ帰り、お仏壇に手を合わせたり、お墓参りをします。そしてご先祖様に日々の感謝を伝え、ご冥福を祈ります。この当たり前の風景は日本古来の風習であり、神道からくる先祖崇拝の心を潜在的に持つ日本人だからこそ続いてきた文化なのです。
帰郷もままならないご時世ではありますが、お盆という行事があることで、先祖や家族、故郷に思いを馳せる良い機会となっていることは確かです。早くコロナが終息して、たくさんの方が良いお盆を迎えられることを切に願います。
お盆の迎え方、過ごし方などの風習は地域によって異なります。
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