ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年7月30日
写経とは
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
写経とはお経(経典)を書き写す事です。
では、そのお経を書き写すという事にはどんな意味があるのでしょうか。
写経の意味
元々は仏教を広めるために、印刷技術が発展していなかった時代にお経が書き写されていたのですが、やがてそれは修行の一環となり、今では祈願のため、供養のためと色々な思いで行われ、写経することに功徳があると言われています。
写経は精神を集中して行うため、集中力を高めるトレーニングにもなるでしょう。
写経を行うための道具
書道の道具
筆や硯(すずり)等の書道を行う道具が必要です。墨をするところから始めればより精神が集中できるでしょう。もちろん墨汁を使用しても、筆ペンを使用しても大丈夫です。
写経用紙
もちろんお経を書き写す用紙も必要です。白紙のものはもちろん、文字が歪まないように線入りのもの、あらかじめ薄くお経が印刷されてなぞり書きができるもの等、実力に応じて選ぶことが出来ます。
仏事用品店や文具店で購入することができます。
お手本
書き写すお経のお手本が必要です。現在では般若心経を写経する方が多いかと思います。
写経の行い方
写経を行う際は、まず身を清めましょう。
写経を行う部屋を掃除してから行うのも良いと言われます。お香を焚いて空間を清めるのも良いでしょう。
お寺や神社に参拝した際に水で身を清めるように、写経を行う際も手を洗って口をすすぎましょう。
写経の手順
- 1.姿勢を正し、心を落ち着かせましょう。硯で墨をする場合はここで精神を集中させつつ行ってください。
- 2.手を合わせて一礼し、書き写すお経を唱えましょう。
- 3.表題から間違えないよう集中して書き写していきましょう。1行につき、17文字が基本と言われています。
- 4.願文(がんもん =ねがいごと)がある場合は、本文から1行空け、1文字下げて「為」を書いたあとに記入します。
- 5.改行して自分の名前を書いた後に「謹写」と書きましょう。
- 6.改行して、日付を記入します。 (4~6の順番はお寺や宗派により変わることがあります。)
- 7.手を合わせて「普回向(ふえこう)」というお経を唱えてから一礼して終了となります。
- 8.書き写しましたお経は箱などに入れ、お寺に奉納するか仏壇に供えましょう。
普回向
願わくはこの功徳(くどく)を以(もっ)て、普(あまね)く一切に及ぼし、
我等と衆生(しゅじょう)と、皆共に仏道を成(じょう)ぜんことを。
十方三世一切仏(じーほーさんしーいーしーふー)
諸尊菩薩摩訶薩(しーそんぶーさーもーこーさー)
摩訶般若波羅蜜(もーこーほーじゃーほーろーみー)
間違えた場合
写経はできる限り間違いが無いように集中して行いますが、もし文字を間違ったり、とばしてしまったりした場合であっても、そのお経を書き写している途中のものをあまり捨てない方が良いと言われています。
誤字の場合は、間違った字の右側に点「ヽ」を打ち、同じ行の上下どちらかの余白に正しい字を書きましょう。
脱字の場合は、文字が抜けた部分に点「ヽ」を打ち、同じ行の上下どちらかの余白に抜けた字を書き、その右側にも点「ヽ」を打ちましょう。
もし、どうしても書き直したいために途中のものを捨てたい場合は、手を合わせて一礼し、敬意を表してから行ってください。
写経の恩恵
写経は精神を落ち着かせる特訓にもなります。
一文字一文字を集中して心を込めて、誤字や脱字がなくして写経を行えるようになれば、きっとそれは宗教でいう功徳以外にも、あなたにとって何か得るものがあるのではないでしょうか。