ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年7月2日

お墓のメンテナンス

  • 株式会社ぶつだんのもり
  • もくりんくん
お墓のメンテナンス

墓石は、カットして、磨いて、文字等を彫刻しただけの自然の石です。

できる限り選別して墓石に適している部分のみを使用していますが、自然の物ですので、色の変化等がある場合もあります。

ずっと絶え間なく強い紫外線や風雨にさらされ続けるので、自然の石である墓石には様々な変化が起こりうるのです。

 

建てた後の墓石に起こる変化

褪色

墓石の色はだんだん褪せてきたりする場合があります。地中に埋まっていた石が地上で太陽光にさらされ、紫外線により変化したりするのも原因のひとつです。

元々淡い色目の石はその変化が目立ちませんが、濃い色目の石の場合は変化に気がつくかもしれません。

色褪せについては防ぐことは難しいです。自然の石の変化であると認識していただければと思います。

変色(錆び)

墓石に多く使用される御影石には鉄分が多く含まれるものもあり、その鉄分の影響で墓石の表面に錆びた色が出てくる場合もあります。

また、それとは全く別の要因で、外からの別の何かから錆びが移ってしまうということもあります。例えば、お供えに置いた飲み物の缶が錆びてその色が染み着くということがあります。また、墓地の水場が地下水を使用していて、その水に鉄分が含まれているということもあり、長年墓石にその水をかけ続けて赤っぽく染まってしまうといったこともあります。

変色(染み)

ずっと屋外で建ち続けている墓石には様々な汚れが付着する可能性があります。

鳥の糞等もしばらく付着したままだと石材の中まで染み付いてしまう場合があります。水溶性の汚れの場合、墓石に主に使用される御影石は水はけが良い物が多いので、一時的に染み付いても、拭き掃除で色が抜けることもあります。

コケ・カビ

石材の表面にコケやカビが発生する事があります。昔の墓石と違って、現在主流の磨いた御影石は比較的コケ・カビは付着しにくいですが、それでも発生することはあります。

特に日陰になる部分は発生しやすいです。

磨いた御影石ですと、コケ・カビが発生しても比較的落としやすいかと思います。

ツヤが落ちる

風雨にさらされる墓石は、建てたすぐにはピカピカの鏡面のようなツヤがあっても年月とともにそのツヤが落ちてきます。

現在墓石に多く使用されている御影石は硬い石ですので、磨きあげたツヤは相当長持ちしますが、それでもやはり年月が経つと建立直後に比べるとツヤは落ちてきます。

建てる場所によってそのスピードも差があります。強い風がよく吹く所では、砂やチリ等が打ち付けられてツヤが落ちる原因になります。

欠け

通常は何もしないで石が欠ける事はありません。しかし、台風等によって物が飛んできて当たったりした場合は、当たった物によっては欠けてしまう可能性はあります。

また、文字彫刻部分で石材が非常に薄くなっている部分に、お掃除の際に雑巾等が引っかかったりして欠けてしまうといったことは起こりうることでしょう。

ひび割れ

稀に墓石にひび割れが発生することがあります。長年の風雨等による自然風化により発生したり、元々あったものが雨水や汚れにより目に見えるようになったもの等があります。

寒冷地などでは、石材が吸収した水が凍結することによってひび割れが発生することもあると言われます。

墓石・石材店により、保証期間が設けられている場合がありますので、ひび割れを発見した場合はご相談してみてください。

 

普段からできるメンテナンス

日頃の拭き掃除をこまめに行うということが誰しもができる効果的なメンテナンスと言えるでしょう。

また、墓石で主に使用されている御影石は硬度が高い石材ですので、それよりも硬度の低い研磨剤を使用する事により、墓石には傷がつかずに汚れを落とすことが出来ます。

墓石の掃除に特化した洗剤や研磨剤も墓石・石材店等で販売しています。

 

プロのメンテナンスによるトラブルの対応

錆び抜き・染み抜き

錆びや染みはケミカル用品等を使用して、色を落としたり薄くする事ができる場合があります。

ただし、石材の内から出た錆びの場合は、その原因が取り除かれた訳ではないので再度出てくる可能性があります。

外から染まった錆の場合は、綺麗に落とせる事が多いです。

高圧洗浄

お墓のメンテナンス 高圧洗浄コケ・カビ等の汚れが気になる場合は、水を高圧で噴射して洗浄する方法が効果的です。

特に磨いた御影石ですと、かなり綺麗な状態に戻すことが出来ます。

雑巾などではやりにくい文字彫刻の中まで綺麗に洗浄することが出来ます。

磨き直し

お墓のメンテナンス 磨き直しツヤ落ちやガンコな汚れが気になる場合は、一度解体して工場へ持ち帰り、磨き直しをする事で新品同様にツヤを戻すことが出来ます。

また、表面の皮を一枚剥ぐようなものですので、石材表面の汚れ等も落とすことができ、新しい石材で新設したものと同様な仕上がりとなる場合もあります。

欠け補修

墓石が欠けた場合はそれを元に戻すということは出来ませんが、見た目を欠けていないように見える状態にすることは出来ます。石材を砕いたものを接着剤に混ぜて形成することでパッと見ただけでは分からないように修繕することが出来ます。ただし、薄い色目の石材の場合は目立ちませんが、濃い石目の石材の場合は接着剤の色が目立つ可能性があります。

 

プロのメンテナンスによるトラブルの予防

光触媒コーティング

光触媒コーティングはセルフクリーニング効果があり、汚れが自然に落ちます。光触媒コーティングを施した墓石に紫外線が当たると、付着した汚れやカビを二酸化炭素と水に分解し、雨水が当たると、水は水滴にならずに広がり、汚れの下にもぐり込んで汚れを洗い流します。

 

まとめ

墓石は自然に生まれた石材を自然の過酷な環境に置き続けるわけですから、いつまでも建てた時の状態のままというわけにはいきません。

普段からお掃除をして、それ以上の自然に起こったことは自然のままにという考え方もありますが、できるだけキレイにしたいというのであれば、対価はかかりますが墓石のプロの力を借りるのもよろしいかと思います。