ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年6月28日
白檀(ビャクダン)
- 株式会社大越仏壇
- 商品部 小橋
「お線香の香り」といえばピンとくる方が多いのではないでしょうか?
別名:サンダルウッドの名でも親しまれている香木です。
サンダルとは、マントラによると足元(スタート地点)という意味もあるそうです。
木は、インド、タイ、インドネシア、マレーシア、東南アジア、オーストラリア、フィジーなどに分布しています。
木材の中央部分(心材)は香りが強く、周辺(辺材)に行くにつれて香りは弱くなります。
白檀は、熱を加えなくても芳香を放つことから、日本では「扇子の骨」に使用されたり、「匂い袋」として生活の中でも利用されています。
最近では、白檀の香りのトイレットペーパーや、石鹸やシャンプーなどの日用品、アクセサリーなども販売されており、日本人に非常になじみのある香りと言えます。
白檀は、ほのかに甘さを感じられる上品な香りです。
白檀の木はインド原産の樹木で、他の木に半寄生して生きるために、この木だけで育てることは不可能です。
成長が遅く、人工的に栽培するのが難しく60年ほどでようやく成熟するといわれています。
白檀には「サンタロール」という香り成分が含まれており、この成分は人工的に作ることはできないため、かなり貴重なものです。
また白檀の木は、インド以外にニュージーランドやハワイなどでも見つけることができますが、なぜか香りがほとんどなく香木として使用することはできません。
お線香やお焼香などに使用されている白檀は、仏教と深い関係があります。
仏教には「お香を供える=供養」という、お釈迦様が生きていた時代からの風習や考え方が根付いています。
お釈迦様を荼毘(だび)に付す(火葬・埋葬すること)時に使用したのも、白檀だったそうです。
白檀の香りには血流促進や体の熱の調整をしてくれるという働きもあります。
体を暖かくしたり逆に熱を持ちすぎているときは、その熱を発散させたりと不快な体温を正常に戻すだけでなく、むくみ改善などの体調管理にも役立つとされています。
また、外気に晒しておくと香りが薄まってしまうという特徴もあるため、保存には注意が必要です。
白檀の効果
・寝つきをよくしてくれる
・昂った気持ちを鎮めて落ち着かせる(自律神経を整える)
・ストレスの緩和
・軽度の頭痛
・不眠症の緩和
・創傷治癒や皮膚再生を促す
咳・痰・のどの痛みなどの呼吸器系の不調や、不眠・冷え症などにも効果があるようです。
白檀は、心を落ち着かせる作用に優れているため、ストレスが溜まりやすい方や、リラックスしたいときに焚くと良いでしょう。
白檀は、昔から儀式や瞑想に使用され人々の心を癒してきました。
現代では、お香のみならず香水に使われることも多く、形を変えて人の心をそっと癒しています。