ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年6月19日
天の光はすべて星
- ほこだて仏光堂
- 早川 登
うちの会社の上役から聴いた話です。 ある時、モンゴルに旅行に行ったところ、夜になったら大平原の頭上には満天の美しい星空があったそうです。 日本に帰って来てから、お土産話に花を咲かせながらも、ふと思い出したように 「でも、あのモンゴルの星空より、もっともっと、素晴らしい星空があった」 と言う彼女に、私はそれはどこで見たのか尋ねました。 「私が子供の頃、故郷で見た星空。あの星空は、本当に星に手が届くような、満点の星空だった」 御年80歳を迎えて、なお精力的に仕事をされる上役は、少女時代の故郷の星空を懐かしんでいた。 日本も、かつて高度成長期前。光害とは縁がなく、星空がよく見えていたのだろうと思います。 もう日本ではかつてのような星空を見る事はできないのでしょうか? 実は東京の多摩に、かつての星空を見る事が出来る場所があると聞きました。 世界第4位の大きさと、世界最大数1億4000万個の星を映し出す、ギネスにも認定された 多摩六都科学館のプラネタリウムです。 現代の科学力と、エンジニアたちの情熱によって生まれた世界最高のプラネタリウム。 コロナが落ち着いたら、ぜひ見に行きたいものです。
余談ですが、仏教で星供養という行事があります。 星供(ほしく)、星祭とも呼ばれ、旧暦の元旦や、立春、冬至などに行われ、 天下国家に起こる各種の災害や個々人災いを除くものとされています。 古来中国の道教の冬至の祭儀がルーツとされますが、星にはそれだけ 人の心を引き付ける強い力があったのだと思わずにはいられません。