ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年6月18日
ご冥福をお祈りします
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
「ご冥福(めいふく)をお祈りします」
葬儀の際などにお悔やみの言葉として用いられる一文です。
冥福の意味は、冥=冥土であり、あの世(死後の世界)ということで、福=幸福ということ。
つまり、文章全体としての意味は、「あの世に行っての幸せを祈っています」ということです。
「ご冥福をお祈りします」の使い方
通常、お悔やみの言葉として使う場合は、「◯◯様のご冥福をお祈りします」などのように、その故人に対して言っていますと分かるようにしたいです。
友人等の場合は「〇〇さんのご冥福をお祈りします」というように故人への呼びかけ方の表現を変えたりもします。
また、故人の名前を使用せずに、「故人のご冥福をお祈りします」というように使用することもあります。
宗教・宗派によるタブー
宗教や宗派により、死後の考え方に違いがあるため、「ご冥福をお祈りします」という言葉が不適切になる場合もあります。
浄土真宗の考え方
浄土真宗の教えでは、亡くなられた方は仏様になりますので、あの世という世界はありません。
あの世に行くということは成仏していないという事になりますので、「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉は控えた方が良いかと思います。
「お悔やみ申し上げます」という言葉の最初に「心より」「心から」「謹んで」等を付けて使用するのが良いかと思います。
神道の考え方
神道では、故人は家の新たな守り神になるという考え方です。
「御霊(みたま)のご平安をお祈り申し上げます」という言葉が最も使用されているかと思われます。
キリスト教の考え方
キリスト教では、故人は神様の元へと召されるという考え方です。
神様の元へ召されることは悔やむ様なことではありませんので、「お悔やみ」という言葉からして違います。
「安らかな眠りにつかれますように」といった言葉をお掛けするのが良いかと思います。
宗教や宗派が分からない場合は使わない方が無難
「ご冥福をお祈りします」は死後に冥土=あの世に行くことが前提の言葉となっていますので、死後にあの世に行くという考えがない宗派もありますので、相手の宗教や宗派が分からない場合は使わない方が無難な言葉と言えるでしょう。
「哀悼の意を表します(あいとうのいをひょうします)」のような亡くなったことを悲しく思う気持ちを伝えるような言葉がよいでしょう。文頭に「心より」「心から」「謹んで」を付けて使用しましょう。
SNS等での使用
最近では、有名な方が亡くなられた際に、その方のSNSにて関係者がその事を伝える投稿をすることがあります。
そのコメントに「ご冥福をお祈りします」というお悔やみの言葉の投稿がたくさんされることに違和感を覚える方もいらっしゃるようです。
「冥福」という言葉が「あの世へ行く」という事をストレートに表しているので敬遠する方や、前述のような宗教や宗派による死生観の違いからだと思われます。
また、「ご愁傷様です(ごしゅうしょうさまです)」という言葉は、遺族へかける言葉ですので、この様な場合には使用しません。
使用するのであれば「謹んで哀悼の意を表します」「心よりお祈り申し上げます」「安らかに眠られますように」などといった死生観の違いが出ない言葉を使用するのが良いかと思います。
電報ではよく使用される
「ご冥福をお祈りします」は故人を思う言葉ですが、「冥=あの世」というワードが入っていますので使用を控えた方が良い場合もあるという事です。
相手の方が仏教で浄土真宗ではない場合には、電報などでもよく使用され、直接遺族にかけるよりも文語として使われる方が多いかもしれません。