ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年5月31日

骨壷

  • 株式会社大越仏壇
  • 商品部 小橋
骨壺

骨壷は、火葬したあとに焼骨した遺骨を納めるための容器です。
飛鳥時代に蔵骨器(ぞうこつき)と呼ばれたのが起源とされています。
仏教の伝来とともに伝わった火葬では、この蔵骨器が使われていました。
火葬・納骨は上流階級の人にほどこされるものであったため、骨壷に豪華な装飾を施したり、骨壷を納める際に
副葬品と一緒に埋葬することも多かったようです。

骨壷の材質

骨壷で使用されている素材は青磁(せいじ)や白磁(はくじ)などの陶磁器が一般的ですが、デザインや
色・材質も多種多様で、大理石製や金属製、ガラス、天然木などのものもあります。
特に、陶磁器の骨壷は、有田焼、九谷焼、瀬戸焼、備前焼といったように伝統的なものから、最近では自然に
還る骨壷として、土や紙で作られる骨壷もあります。

骨壷の大きさ

日本は、地域によって拾骨する量に違いがあります。
東日本では大型、西日本では小型といわれており、東日本ではすべての遺骨を納めるため7寸、西日本では
一部拾骨するため3寸~6寸ものを使うのが一般的です。
また、納める遺骨に関しても、本骨と呼ばれる喉仏の骨と、胴骨を分けて収納する地域もあります。
骨壷の値段は大きさや素材によって大きく違ってきますが、3,000円~数十万円の物が相場です。

骨壷の形状

骨壷の形は円筒型が一般的ですが、最近ではたまご型や四角型のものなど、骨壷の形も個性的なデザインが
増えています。
しかし形状は様々で、蓋も大きく2種類に分けられます。
白並(しろなみ・しらなみ)は蓋の端が内側に折れ込んでいるタイプ、切立(きりたて)は蓋の端が骨壷本体に
覆いかぶさっているタイプです。
定番の蓋は白並が多いですが、切立の方が密閉性に優れており、骨壷の中に湿気がたまりにくいと言われています。

骨壷カバー

骨壷カバーは骨覆いともいい、骨壷を包む布のことです。
骨箱にかぶせる四角型タイプ、骨箱にかぶせる六角形タイプ、巾着タイプなどがあります。
不要となった骨壷の箱や袋、風呂敷はそのまま可燃物のごみとして処分できます。

最近の傾向

近年では、故人の好きだったものや思い出を写真にしてプリントしたり、文字入れをしたりと骨壷を
オーダーメイドで作る方も増えています。
一般的には、お骨は納骨式によってお墓に入れられますが、近年、亡き人の存在を身近に感じたいと、
お骨を手元に置いておしゃれなミニ骨壷に保管し、供養する人もいます。

骨壷に水がたまる

骨壷に水が入る原因は、多くの場合結露が原因です。
遺骨が納められているお墓の納骨室やお寺の納骨堂は完全な密閉空間ではない上に風通しが悪く湿度が高く
なりやすいため、雨水が入ってきたり地中からの湿気が充満して結露が発生し、水が溜まってしまうのです。
20~30年経ったものだと、骨壷いっぱいに水分が溜まり、遺骨が水浸しになっていたという事も珍しい話で
ありません。

しかし、結露は自然現象ですので、防ぐ事は非常に困難です。
対策として、水抜き用の穴が開いた骨壷を使ったり、最近では乾燥性の高い骨壷なども販売されています。