ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年4月5日

いろんな種類のお仏壇の中からどう選べばよいのか、お仏壇選びのポイントをご紹介します。

  • お仏壇と墓石の太田屋
  • 太田博久(代表取締役)
仏壇 現代仏壇 モダン仏壇

仏壇を購入したら自宅のどこに置くのか?

以前は畳敷きの和室に仏壇を納める空間「仏間(ぶつま)」のあるお宅が多く、その場合には、柱から柱までの幅が約180㎝(6尺)の1間(いっけん)仏間なのか、約90cm(3尺)の半間(はんげん)仏間なのか、下に扉付きの収納スペース=地袋(じぶくろ)のある仏間なのかといった、それぞれの仏間の大きさにちょうど納まるように作られたサイズの仏壇があり、自宅の仏間サイズに応じた仏壇を選ぶことができました。

仏壇 大型仏壇 1間仏間

しかし、最近は仏間を持たないお宅が増え、置き場所を考えることから始めて、イメージする置き場所に合う仏壇を探す必要があり、以前よりもむしろ手間が増えているかもしれません。

従来の一般的な仏壇、家具調の仏壇やモダンな仏壇、部屋の中のタンスやチェストなど家具の上に乗せて置くコンパクトな仏壇や座ってお参りする下台の付いた高さのある仏壇等々、様々な種類がある仏壇を選ぶ際に役立つポイントをご紹介します。

仏壇 チェスト 下台

<家のどこに仏壇を置き、どのようにお参りしたいのか>

まずは、仏壇でどのようなお参りをしたいのかをイメージする必要があります。

初めての仏壇購入で、故人の位牌を仏壇に祀り、家族全員が身近にいつでも語りかけられるように仏壇でお参りしたい。そのようなイメージで仏壇を置く場合には、リビング等のできるだけ家族が集まる場所に仏壇を置くのがよいと思います。

ご夫婦ふたり暮らしで、亡くなられた配偶者を祀る仏壇を置き、生前同様に朝晩の挨拶をしながら仏壇でお参りしたい。そのようなご希望であれば、寝室に置くこともよいかと思います。

先祖の位牌もあり、やはり仏壇は故人だけでなく先祖も含めた、家を継承する象徴としての意味も持たせてお参りしたいという場合には、人の出入りが頻繁で日常的に利用する部屋ではなく、改めて座ってお参りできる奥まった和室等に置く方がよいかもしれません。

このように、仏壇でどうお参りしたいのかをイメージし、仏壇を置く場所の候補を絞り決めてください。この際は、「ズバリこの場所!」と1箇所に決めずに、複数の候補を考えてもよいでしょう。実際に仏壇店で仏壇の実物に触れた時、もしかしたら気に入った仏壇と決めた場所が一致しない場合も考えられます。もちろん1箇所に決めて、その場所に合う仏壇を探すという方法もありますが、通常は「実物の仏壇を見るのは初めて」という方も多くいらっしゃいますので、完全に置き場所を決めてしまわない方が、気に入った仏壇と出会う可能性が高まるかもしれません。

 

<実物の仏壇を見て、デザインや寸法をしっかり確認する>

仏壇でのお参りをイメージし、置き場所の候補を絞ったら、仏壇店で実際に実物の仏壇を見てください。この時にしっかり確認をして欲しいのが「サイズ」です。仏壇のサイズとは、高さと幅と奥行きの3つのサイズです。仏壇を置く部屋の雰囲気に合うか、周囲の家具との調和はどうかといった色彩やデザインも仏壇を選ぶポイントにはなりますが、それ以上に重要なのはサイズだと思います。

高さの確認では、下に台の付いた座ってお参りするタイプの仏壇の場合は、人の背丈よりも低くなり過ぎて、本尊や位牌をいつも上から見下ろすような形にならない方がよいでしょう。座ってお参りするタイプの仏壇でも、最近は小型サイズも増えていますが、少なくとも、お参りで座った時には、本尊や位牌が目線と同じか、少し上になることが望ましいと思います。

上置き仏壇 モダン仏壇

タンスや棚やチェストなどの家具の上に仏壇を置く、下台のない「上置き仏壇」を選ぶ場合には、立ったままお参りする形になります。その際には、全体の高さが高過ぎて手が届きにくくなり、お線香を上げるのに苦労しないよう注意して仏壇の高さを確認してください。特に高齢なご家族がローソクやお線香の火を扱うことが多い場合には、目が届きにくい高さにならないことが大切です。

 

<仏壇の幅は、扉の開きも確認する>

幅は、仏壇の扉を閉めた状態の「胴幅(どうはば)」だけでなく、扉を少し広げた状態の幅も確認してください。仏壇の扉は約45度に開いた形が最もきれいに見えるとも言われ、仏壇をお参りする時は必ず扉を開けた状態になります。場所によっては45度までは開かなくても結構ですが、仏壇の胴体は納まったけれど扉が開かない、ということがないようお気をつけください。仏壇によっては、扉が開かないと、香炉やローソク立や花立を置く膳引(ぜんびき)が十分に引き出せないこともあります。

仏壇 おしゃれ かわいい

<奥行き寸法の確認も、仏壇選びでは大切>

仏壇では、奥行きの寸法も重要です。リビング等で他の家具の横に置く場合には、仏壇だけ前に飛び出し過ぎない方がきれいに納まります。タンスなどの仏壇以外の一般的な家具は、仏壇と比較すると奥行きの浅いものが多くあります。最近増えているモダン仏壇・家具調仏壇・現代仏壇というタイプの仏壇は、従来の一般的な仏壇と比べると、高さや幅が小さめなだけでなく、奥行きも浅めに作られているタイプが多くあります。もちろん、従来の一般的な仏壇でも、高さも幅も奥行きもコンパクトなタイプも増えています。

上置き仏壇の場合も、奥行きは注意して確認してください。上に置く仏壇の奥行きが、台の役割となる家具の奥行きの寸法以下になることはもちろんですが、膳引がある仏壇の場合には、それを引き出した状態での奥行きも確認しておくのがよいでしょう。膳引を引き出した奥行き寸法が下の家具の奥行き寸法に納まる必要はありませんが、実際に納めた時に予想外に出っ張り過ぎた…ということがないよう気をつけてください。

仏壇 上置き仏壇

仏壇でどのようにお参りしたいのか、そのイメージをもとに置き場所を決め、仏壇の実物を見てしっかりとサイズ(高さ・幅・奥行き)を確認して選ぶ。そして実際に仏壇を納めてみた時にきれいな形で設置されると、購入されたご家族はもちろんですが、販売側の私たちも、重責を果たせたようでとてもうれしくなります。

かけがえのない大切な方をお祀りする、ご先祖をお祀りする仏壇です。きれいな形で納まり、気持ちよくお参りしていただけるよう、仏壇選びの参考にしてください。