ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年3月22日

分骨と手元供養

  • 株式会社大越仏壇
  • 商品部 小橋
手元供養

ご遺骨は、お墓に納めて供養するのが一般的でした。(一部を本山へ納めることもあります)
最近は、ご遺骨を分けて供養や手元供養のお問い合わせが増えてきております。
さて、分骨や手元供養とはどのようなものなのでしょうか?


分骨

亡くなった方のご遺骨を2つ以上に分けることを分骨と言います。
分骨するタイミングですが、火葬場で骨上げ時に行うものとすでにお墓に収められている骨(骨壺)を取り出して
行うものの2パターンがあります。

納骨前に分骨を行う場合

ご遺骨を2か所以上に分けて納骨する際は、「分骨証明書」が必要です。
火葬の際にすでに分骨することが決まっている場合は、火葬場で分骨証明書を発行してもらえますので、
忘れずに火葬場に依頼しましょう。
また、分骨用の骨壺を用意する必要がありますので、葬儀社の担当者に事前に相談してみましょう。
分骨証明書は納骨の際に必要になりますので、火葬場の方に必要な枚数を事前に伝えておけば、
火葬が終わるまでに必要な枚数の分骨証明書を用意していただけます。

納骨後に分骨を行う場合

すでにお墓にご遺骨を埋葬されている場合に分骨を行うには、ご遺骨を取り出す必要があります。
まず、お寺や墓地・霊園の管理者に分骨を行うことを伝え、分骨証明書を発行してもらいます。
ご遺骨を埋葬しているお寺や霊園によっては新たに納骨・供養する先の書類の提出を求められることが
ありますが、手元供養を行う場合には書類は必要ありません。

分骨するのはなぜ?

さまざまな事情が考えられます。

本山へ納骨したい

自分のお寺(菩提寺)の本山へご遺骨の一部を納めたいので分けるケースです。
浄土真宗の本山納骨が有名です。
火葬場で、大きな骨壺に体のご遺骨を納めるのと喉仏を小さな骨壺に納めます。
お墓への納骨後、喉仏の入った骨壺を持って本山へ納めに行きます。

お墓参りを近くでしたい

実家から出られたご遺族で、ご遺骨を分けられるケースです。
お墓が遠方になるため、お盆やお彼岸でお参りのため移動することが簡単ではないことがあるようです。


手元供養

ご遺骨をお墓に納めるのではなく、身近に置きたいケースです。
最愛の方を亡くされ骨壺をご自宅にてご供養されるや加工して身に付けるなどがあります。

手元供養の種類

では、手元供養にはどのような方法があるのでしょうか?

ミニ骨壺

ご遺骨を粉砕してパウダー状にしてからミニ骨壺に納めます。本来の骨壺よりもコンパクトサイズになっており、
素材はガラス製や陶器、木製、金属製などさまざまなものがあります。
部屋に置くことを前提に作られているので、モダンなデザインやインテリアになじむものなど、
一見骨壺に見えないものもあります。
また、喉仏を骨壷に入れられ、手元供養される方が多いです。

ミニ仏壇・飾り台

ステージタイプ

骨壷やお位牌を置いたり、遺影を飾ったりできる小さな仏壇のことです。
骨壺だけでは少しさみしいと感じ、やはり毎日お線香をあげて手を合わせたいという方は、このような仏壇の形があると良いでしょう。

壁掛けタイプ

最近では神棚のようにして、壁にかけるタイプもありますので、置く場所を確保することが難しい方も
設置しやすいでしょう。
しっかりした壁なら、どこでも設置できますし、薄型なので場所もとりません。
オブジェ(飾り台)タイプ
お地蔵様のような形の入れ物にご遺骨を入れて保管するタイプや、プレートや写真立てにご遺骨を入れるものも
あります。
いかにも仏壇のような形ではなく、おしゃれに供養したいという方に人気です。

遺骨プレート

遺骨プレートとは、遺骨から不純物を取り除いてパウダー状にしてから金属の粉末と合成して、
プレート状に加工したものです。
プレートには故人の名前や死亡の年月日、故人の好きだった言葉など自由に刻印することができ、
インテリアとして飾ることができます。

アクセサリー

身に着けられるようにアクセサリーの中に遺骨の一部をパウダー状にして入れられるものがあります。
ペンダントやブレスレット、指輪、キーホルダーなどさまざまなものがあり、素材にプラチナやゴールドを
使ったり、ダイヤモンドなどの石を装飾したりして高価なジュエリーに見えるものもあります。
中にパウダー状のご遺骨を納めるので、分骨して家族ひとりひとりが持つことも可能です。
ステンレスやチタン、シルバーといったお手頃な価格の素材から、最近ではゴールドやプラチナ、
ダイヤモンドなどを用いた高価なジュエリータイプもあります。
デザインも素材も多彩で、さりげなく自然に身に付けられます。
アクセサリーは肌身離さず身に付けられ、キーホルダー等はバッグや財布、スマートホンなど、さまざまな場所に
付けることが出来ます。

遺骨真珠

ご遺骨を加工し核として、養殖真珠を作ります。
海で半年かけて養殖し、一般の養殖真珠の工程と同じです。
ただし、養殖では約半数の貝が死んでしまい、きれいな真珠になるのは約5%程度だそうです。
一回(一故人)の依頼で数十個の貝を養殖しますが、形や色はどのようなものができあがってくるかは
貝のみぞ知るとのこと。
故人と自然にて独自の形や色を生み出すことも含めて、素敵な手元供養品です。

手元供養は一人で決めない

手元供養は「常に故人のことを身近に感じたい。」「いつも見守っていてもらいたい。」という故人との
つながりを強く持ちたいと願う方の想いを形にした手段です。
大切な人をいつでも身近に感じられる手元供養は、残された家族の心の支えになりますが、供養方法についての
意見が異なる場合には親族間での話し合いが大切です。
手元供養について十分に理解した上で、手続きを進めましょう。