ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年3月12日

仏壇の安置場所や向きって決まりがあるの?

  • 株式会社ぶつだんのもり
  • もくりんくん
仏壇の場所と向き

仏壇の安置場所や方角は気にしなくてもいい

仏壇の向きまず最初に言いますと、仏壇の安置場所はそれぞれの家により様々で、特に「こうでないとダメだ」などということは決まっていません。

向き・方角に関しましても基本的には気にしなくてもいいと言われます。

家の建ち方により場所や方角を気にしたらどうしても暮らしにくいことになってしまうこともあるかと思います。

場所や方角を気にするよりも、毎日のお勤めや祀る心が大切なのです。

なので、強いて言うならば、家族の誰もがいつでも手を合わせられる場所が良いでしょう。

 

とはいえ、最適とされている方角や、避けたほう良いと言われている場所が気になる方もいらっしゃると思いますので簡単に紹介したいと思います。

 

仏壇の安置場所について

仏間仏壇の安置場所の最適なところはどこかと尋ねられれば、それは仏壇を置くための場所である仏間でしょう。

ですが、最近では仏間がない家もたくさんあります。

では次に最適な場所はというと、床の間でしょうか。床の間は最高の上座とされていますので仏壇を安置するのに良いと言われます。

逆に、床の間が最高の上座であるので、その向かい合わせに仏壇を置くのは避けたほうが良いと言われています。

とは言っても、床の間もない家もたくさんあります。

そうなってくるとやはり、人が集まる場所、いつでも手を合わせられる場所が良いでしょう。

 

仏壇を傷めないために気をつけたいこと

仏壇の安置場所で留意したい点のひとつに、仏壇を傷めないために気をつけたいことがあります。

仏壇は基本的には木製ですので、湿気の多い場所は避けたほうが無難です。

また、直射日光が当たるような場所もオススメはできません。

 

仏壇の上を人が歩く場所

2階建て等で仏壇の上を人が歩く場所に安置するのは避けたほうが良いと言われていました。

最近ではマンションで暮らすことも多くなり、この事については気にする方は少なくなってきています。

また、どうしても気になるという方は、仏壇の上の天井に[雲]や[空][天]と書いた紙や木製の彫刻を貼り付けて、この上はもう空であるという事を示せば大丈夫だという抜け道のような方法もあります。

もともとは神棚の上を人が歩くような場所でのことが仏壇にも取り入れられたようです。

 

神棚がある場合の向き

神棚がある場合は向かい合わせに安置しない方が良いと言われています。

それは、仏壇を拝む時には神棚にお尻を向け、神棚を拝むときには仏壇にお尻を向けることになるからです。

また、神棚の真下に仏壇を安置するのも避けたほうが良いとされています。

 

仏教的に最適とされる仏壇を向ける方角

仏教として、仏壇はどの方角に向けたほうが良いのかという疑問に対しては様々な説があります。

一般的には南向きか東向きが良いとされていますがそれは下記のような事からです。

南面北座説(なんめんほくざせつ)

仏壇の正面を南に向けて安置します。拝む人は北を向いてお参りする事になります。

お釈迦様が北方ヒマラヤの麓の故郷を拝して入滅されたという北枕の故事から、北は神聖で尊い方角であることから、北を向いてお参りするのが良いと言われています。

また、お釈迦様が説法をされる際も南を向いて行われていたとも言われています。

西方浄土説(さいほうじょうどせつ)

仏壇の正面を東に向けて安置します。拝む人は西を向いてお参りすることになります。

西の彼方には仏教の理想とされる西方浄土、極楽世界がある為、そちらの方を向いてお参りするのが良いと言われている説です。

本山中心説(ほんざんちゅうしんせつ)

仏壇を拝む人と仏壇の延長線上に、その家の宗派の総本山がくるように安置します。拝む人は総本山に向いてお参りすることになります。

 

宗派によって推奨されている仏壇の向き

曹洞宗・臨済宗

南面北座説が推奨されています。ご本尊であるお釈迦様が説法をされる際に南を向かれたとされている為です。

浄土真宗・浄土宗・天台宗

西方浄土説が推奨されています。ご本尊である阿弥陀如来のいる西方浄土に向かってお参りする為です。

真言宗

本山中心説が推奨されています。

日蓮宗

仏壇の向きについては特に推奨される方角等は無いようです。

 

北向きは避けた方が良い?

よく、北向きは避けたほうが良いと言われています。

それは上記に挙げました仏教的な南面北座説の考えと、仏壇を北向きに置くということは部屋の南側に置くこととなるので、北向きを避けるということは、仏壇を傷めないために直射日光を避けられ、南からの風通しが良くなるという両方の理由があるからでしょう。

 

どの方角にも仏様はいらっしゃる

十方ここまで方角についてを述べてきましたが、実は仏教には十方どの方角にも仏様はいらっしゃるという十方諸仏(じっぽうしょぶつ)という考え方もあるのです。

十方とは東・南・西・北(太陽の動きの順番)に上・下、さらに東・南・西・北の各間の東南・西南・西北・東北を加えた仏教における全ての方角の事です。

ということはやはり、無理をしてまで方角を気にしなくてもよいのかもしれません。

 

ご本尊は目上の高さに

上置仏壇拝む際に、ご本尊を見下ろすような高さに安置するのは避けたほうが良いとされています。

よほど小型の仏壇でもない限り、座って拝めばまず大丈夫です。

問題になるのは、上置仏壇と言われる、台の上に置くことが前提の仏壇を直接床に置いたりすると、ご本尊が目上の高さにならなくなることでしょう。

上置型の仏壇は何かしらの台の上に安置するようにしましょう。

 

仏具やお供えの向き

三本足の仏具の向き仏壇の中の仏具やお供えの向きについては、三角形になるものは頂点を仏様側へ向けないようにしましょう。

例えば三本足の香炉などは自分の側に三角の1つの頂点が向くように[ ▼ ]と置きます。

お供え物の下に敷く半紙を三角に折った際も同様にしましょう。

仏様に刃を向ける事になると言われています。

 

いちばん大事なことは心や気持ち

仏壇を拝む気持ち

冒頭にも述べましたように、やはり仏壇をお祀りする上で最も大事なことはお参りする気持ち、お祀りする心かと思います。

まずは拝みやすい場所、それからできるだけ仏壇が傷みにくい場所への安置を考えればよろしいのではないでしょうか。