ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2022年8月14日

おしゃれな仏壇、おしゃれな仏具。明るくおしゃれに変化する仏壇仏具を紹介します。

  • お仏壇と墓石の太田屋
  • 太田博久(代表取締役)
仏壇店 おしゃれ

お盆の帰省で久しぶりにご家族が揃い、盆提灯の明かりで飾られた盆棚やお仏壇に手を合わせる。そして改めて、お仏壇のお買い替えやお墓の修理等の話をする…例年お盆が明けてから仏壇店にご相談にお越しになるお客様がいらっしゃるのは、そのような理由からかと感じています。

普段はなかなかご来店の機会の少ない仏壇店ですので、これまでのイメージとずいぶん変わっていることをご存知ない方も多いかと思います。

暮らしの変化は、仏壇や仏具という供養文化の形にも影響を与えます。

重い、暗い、黒い…これまで仏壇や仏具、仏壇店に対してそのようなイメージを持つ方は多かったことでしょう。しかし今は、仏壇も仏具も明るくおしゃれなものに変わり始めています。

お線香やローソクを買いに、仏壇を選びにといった用事がなければ立ち寄ることの少ない仏壇店。まだ仏壇店には一度も入ったことがないという方も多いだろうと思います。

おしゃれな仏壇ってなに?おしゃれな仏具なんてあるの?仏壇店に行ったことがないという方々に、変わり続ける最近の仏壇や仏具を紹介していきます。

 

おしゃれな仏壇 バラ

<色鮮やかな、おしゃれな仏壇>

仏壇の正面、通常は「背板(せいた)」と呼ばれる部分にグリーンのバラの花が敷き詰められています。扉や仏具も、それに合わせたグリーンで統一されています。

仏壇店ではなく、仏具も置いていなければ、もしかしたらこれが仏壇だとは思わないかもしれませんが…これも仏壇です。意外にもおしゃれだと思いませんか?

仏壇に供える花は「トゲがあってはいけない」とバラなどは飾るものではない、とされてきました。もちろん現在でも、そのような「しきたり」は大切にしたいとは思いますが、供養文化が「多くの先祖を祀り(まつり)手を合わせる」ことから「大切な故人(亡くなられた個人)に語りかける」ことへと徐々に変化してきています。

「バラが好きだったあの人」に、バラに囲まれたおしゃれな仏壇の中で過ごしてもらいたい。例えばそのような故人への気持ちを大切に供養を考える方が増えています。お客様の中には、この仏壇をペットを供養する仏壇として購入する方もいらっしゃいます。

写真のグリーンの他にも、あたたかなピンク、落ち着いたブルー、明るいホワイトなどのカラーバリエーションがあり、仏壇店に並ぶ商品の中でも、ひときわ目を引くおしゃれな仏壇です。

 

仏壇 モダン おしゃれ

<ダーク系色のおしゃれな仏壇>

確かに明るくおしゃれだとはいえ、故人を祀る仏壇や仏具には、派手で明るすぎる色やデザインはそぐわないな…。当然そう考える方も多くいらっしゃいます。

やはり最近でも、仏壇や仏具には落ち着いた色合いを希望する方も多く、上の写真のようなダーク系のブラックやブラウンといった色合いで、シャープでシンプルなデザインが施された台付きのモダンな仏壇が好まれる傾向があります。

落ち着きあるおしゃれな色合いとシンプルなデザインの仏壇ですので、ご自身の好みでフィットしやすいおしゃれな仏具を幅広くコーディネイトすることができます。

 

仏壇 おしゃれ かわいい

<かわいらしくおしゃれな仏壇>

まさか仏壇が「かわいい」と言われる時代が来ようとは、夢にも思っていませんでした。上の写真の小型の上置き仏壇は、私が仏壇店の仕事に就いて以来初めて、来店された女性から実際に「かわいい」と言葉をかけられた仏壇です。

サイズも小型で全体に少し丸みを帯びた形状と、柔らかく明るい色合いと透かしの入った背板、花が円形に刻まれた扉の彫刻デザインがおしゃれな仏壇です。

じっと見ていると、ふと気軽に、何かを語りかけたくなるような気にさせてくれる仏壇だと思います。

 

仏壇 おしゃれ モダン

<格子状の扉がおしゃれな仏壇>

上置き仏壇でも、かわいらしい小型サイズばかりではありません。上の写真の仏壇は、格子状の扉が大きく開く、モダンでおしゃれな上置き仏壇です。

開いた扉に包まれるように、花を飾ってお参りすることができます。1間仏間(いっけんぶつま)と呼ばれる襖2枚分の大きな仏間に納める従来の大型仏壇には、「三方開き(さんぽうびらき)」という形がありました。扉がより大きく開き、大型仏壇が更に大きく見える方式ですが、そのスタイルを上置き仏壇に取り入れた形です。

扉がおしゃれな格子デザインになっていることで、落ち着いた色合いでありながら、扉を大きく開いても、明るく圧迫感のないスタイルとなっている仏壇です。

 

モダン仏壇 塗り おしゃれ

<グラデーションがおしゃれな仏壇>

最近増えているモダンな仏壇ですが、家具のような木目調の仏壇ばかりではなく、金仏壇のような「塗り仏壇」でも、金ピカではないおしゃれな塗り仏壇が作られています。

胴体部分は艶のある黒塗りを中心に、扉にレッド系やグリーン系の色のグラデーションを施した上の写真の仏壇は、おしゃれな華やかさを醸し出しています。

現代風の新しい浄土の世界も、もしかしたら、このようにおしゃれな場所に変わっているのかもしれませんね。

 

モダンな仏具 おしゃれ

<色とりどりのおしゃれな仏具>

仏壇がモダンでおしゃれに変わってくれば、仏具も当然、それに合わせておしゃれな仏具に変わってきています。

一口に仏具といっても様々な種類のものがあります。上の写真は「具足(ぐそく)」と呼ばれる仏具を数種類並べてみたところです。「具足」とは、供養のためのお参りに必要なお線香を差し上げるための香炉、仏様の智慧の光を表すローソクを灯す燭台(しょくだい)、仏様の慈悲の心を表す生花を供える花立(花瓶)の最重要な三大供養(香・灯・華)の仏具や、ご飯やお水やお茶を差し上げる器などの仏飯器(ぶっぱんき)や茶湯器(ちゃとうき)といった道具を指します。

これらの仏具も、従来の形の仏壇に置く場合には、ほぼ決まった形や色の鋳物仏具(いものぶつぐ)が多く、その仏具の形や色も大きな変化はありませんでした。ところが最近は、仏壇もおしゃれに変化してきたことを受け、色彩も豊かに、デザインも種類が増え、おしゃれな仏具も増えてきています。

おしゃれ モダン 仏具 ガラス

上の写真の仏具も「具足」です。鮮やかな赤を基調に金箔がちりばめられたガラス製のおしゃれな仏具です。

中央の香炉、右側手前は燭台(ローソク立)、左奥に花立、その横にはご飯やお茶お水を差し上げる仏飯器と茶湯器、そしてリン台まで揃えたおしゃれな具足です。

こんな仏具を飾れば、仏壇が一気に明るく華やかに、おしゃれな空間になりますね。

モダン おしゃれ 仏具

仏壇ですので、あまり華やか過ぎても…と思われる方も多いことでしょう。もちろん、おしゃれでありながら、もっと落ち着いた色合いやデザインの具足も数多くあります。

上の写真の仏具は、モダンなデザインで、グレー基調のシックな色合いの具足です。こちらも中央が香炉、右側が燭台、左側が花立、奥に仏飯器と茶湯器のセット具足です。通常は手前の香・灯・華の3点が揃った仏具を「三具足(みつぐそく)」と呼びます。

いかがでしょうか?現代アートのようでもあり、なかなかおしゃれな仏具だと思います。

 

モダン おしゃれ 仏具

<ご本尊もおしゃれな時代に>

もちろん、モダンにおしゃれに変化している仏具は具足だけではありません。

寺院の本堂を小型化して各家で祀るものとして普及発展してきた仏壇の中心は、仏教各宗派の「ご本尊」です。

「ご本尊」といえば、すぐに思い浮かぶのは仏像や掛軸かと思います。もちろん今も、仏像や掛軸を飾ることも多く、モダンでおしゃれな仏壇にも違和感なく安置できますが、この仏壇用の「ご本尊」も少しずつ変化が見えます。

上の写真は、曹洞宗用のスタンド型の「ご本尊」です。中央にお釈迦様が、手前には「脇仏(わきぶつ)」と呼ばれる承陽大師(しょうようだいし)が右側に、左側には常済大師(じょうざいだいし)が描かれた「ご本尊」です。

仏像や掛軸のような荘厳さには欠けますが、最近のモダンな仏壇にはマッチしやすい「ちょっとおしゃれなご本尊」と言えるかもしれませんね。

 

位牌 モダン おしゃれ

<亡き方にふさわしい、おしゃれな位牌を>

多くの先祖を祀り手を合わせる仏壇から、かけがえのない大切な亡き方を、ずっと見守り、励まし支えてくれる存在として感じ、語りかける場としての仏壇へと変化している現在、その「亡き方そのもの」とも言える位牌は、より大切な仏具となっています。

その位牌も、黒塗り位牌だけではなく、木の材質をそのままに生かした位牌や、塗り位牌でも花などの蒔絵がワンポイントとしてデザインされている位牌、ブルーやレッドやグリーンやホワイトなど色彩豊かな位牌もあり、モダンでおしゃれな位牌が増えてきています。

位牌 モダン おしゃれ

クリスタルの位牌や現代アートのような位牌も作られ、色もデザインも多種多様なおしゃれな位牌がありますので、かけがえのない大切な亡き方を思い浮かべながら、ご家族の皆さんで「お父さんは、この落ち着いた濃いブルーが似合うよね」、「この桜のワンポイントが入った明るい位牌なら、おしゃれだったお母さんらしいね」と「亡き方そのもの」として語りかける位牌を選んでいただける時代になりました。

 

仏具 リン おしゃれ モダン

<おしゃれな仏具の先駆け>

モダンでおしゃれな仏壇が作られるようになり、最も早くおしゃれなデザインや色彩を取り入れた仏具がリン(お錀)ではないかと思います。上の写真のように、仏壇店には、今は様々な形や色合い、そして音色のおしゃれなリンが揃っています。

もちろん、多くの方々はモダンな仏壇に置いてお参りする際に鳴らす仏具として購入されていますが、その涼しげで優しい音色、そして色やデザインが気に入ったからと、仏具としてではなく、インテリアの一部として玄関や部屋に飾りたいと購入される女性も数多くいらっしゃるほどです。

そのモダンでおしゃれなリンの先駆けとなったのが、写真の上段に並んでいる「たまゆらリン」です。リンを叩くと上部がゆらゆらと揺れ、その表情が優しい音色と共にとてもかわいらしくおしゃれなリンです。その他にも、写真の下段のような様々なデザインのおしゃれな仏具としてのリンが作られるようになりました。

 

仏壇 モダン おしゃれ

このように、仏壇も、その中に飾る仏具も、暮らしの変化に合わせてモダンな仏壇、おしゃれな仏具へと日々変化しています。

お葬式・法事・仏壇・お墓といった葬送や供養に関わる商品サービスは、仏教を主とする宗教や、長年の地域の風習などを基盤に形づくられてきたものですので、葬送文化・供養文化という「しきたり」や「習慣」を多分に含み、その中に大切な意味が込められたものであることは事実です。ただ、その「文化」を育む大きな要素としての私たちの「日々の暮らし方」が変われば、その変化が当然「文化」の様式にも次第に反映されていくものだと思います。

仏壇 モダン おしゃれ

その意味では、過去に例を見ないと言われるほど「速く激しい」変化が起きている現代社会に生きる私たちの暮らし方がこれからも変わり続けていくことで、私たちが大切にする葬送文化・供養文化も大きく変化する時期を迎えているのかもしれません。その変化する時代の中で、今生まれてきつつあるのが「モダンな仏壇仏具」や「おしゃれな仏壇仏具」だと言えるような気がします。

ほとんどの方にとっては、まだ一度も仏壇店に入ったことがない、仏壇や仏具なんて見たこともない、自分が知っている仏壇や仏具は、祖父母の住む田舎の実家で見た大きな威圧感ある仏壇と古い仏具だけだ…というのが現実なのかもしれません。

それでも、かけがえのない大切な亡き方のために仏壇を備えようとする方には、そのようなイメージとはずいぶん異なるモダンでおしゃれな仏壇や、デザインや色彩も豊かな仏具が用意される時代になったことを具体的に紹介してきました。

いつかは必ず、かけがえのない大切な方の供養に向き合うことになる皆さんそれぞれが、大切な故人にとって、その存在を心に刻んで生きていく自分にとって、より身近で納得いく供養をしていただくお役に立てば幸いです。

お困りごとのご相談がございましたら、「ぶつだんやさん」サイト参加各社にお問い合わせください。

宮城県・福島県 ほこだて仏光堂

長野県 お仏壇と墓石の太田屋

富山県 大越仏壇

和歌山県 おぶつだんの佐倉

徳島県 ぶつだんのもり