ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年3月5日

仏壇に飾る仏具の種類について

  • 株式会社ぶつだんのもり
  • もくりんくん
仏具の種類

仏壇にお祀りする仏具にはいろいろな種類があります。

それらは供養を行えるようにする道具や、仏壇を装飾するための道具などがあり、様々です。

仏具の種類は宗派によって異なる場合があり、置き方も宗派や旦那寺、地域によって、また仏壇のデザインやサイズによっても異なる場合があります。

 

仏壇の仏具とは

仏具はご本尊やご先祖さまを供養する為のものです。

仏壇における供養とは、「香華(こうげ)」「灯明(とうみょう)」「飮食(おんじき)」などによって行われます。

仏壇に置かれる仏具はその供養を行うための道具なのです。

 

具足(ぐそく)とは

具足とは香・華・灯を供養するための、仏壇に祀る基本の仏具です。

祀り方には五具足(ごぐそく)と三具足(みつぐそく)があり、五具足は香炉1つに燭台と花瓶がそれぞれ一対で合わせて5つ、三具足は香炉・燭台・花瓶がそれぞれ1つずつで合わせて3つとなります。

 

香供養のための仏具

香炉仏教において香供養は重要な供養の一つとされています。

香はご本尊やご先祖さまを供養するためのものであり、我々の体や意識、さらには空間をも清める力があるとされています。

香炉は具足に含まれますが、それとは別に前香炉とも言われる大きめの香炉が使われたりします。

仏壇内で香を焚くと内部に煙がくすぶり汚れの原因になったりもするので、仏壇の前に置いた経机の上で使われることが多いです。

もともとの具足に含まれる香炉は焼香用で、前香炉は線香用と区別されて使われたりします。

また、浄土真宗本願寺派・真宗大谷派では、本尊の前で火舎(かしゃ)もしくは火舎香炉(かしゃこうろ)と呼ばれる仏前焼香用の香炉が置かれ、前卓の上で青磁の香炉が使われます。

現在の仏壇でのお勤めでは、常に線香用の香炉を使用し、焼香用の香炉は使用される機会はなく飾り香炉と呼ばれたりもします。

最近の家具調仏壇では、そもそも焼香用の飾り香炉は置かずに、線香用の香炉のみを置いて使用する場合も多いです。

 

灯供養のための仏具

仏教において灯供養は重要な供養の一つとされています。

灯は苦しみを生み出すとされる無明の闇を照らし出す智慧の光といわれています。

燭台(しょくだい)

燭台ローソク立てのことです。具足に含まれるもので、本来は仏壇の中に置かれるものですが、仏壇内で火のものを扱うのは内部にヤニや煤(スス)が付いたり、安全の面や使いかってからも最近では経机の上で難燃性の防炎マットを敷いて使われることが多いです。

吊灯篭(つりとうろう)

吊灯篭吊灯篭は本尊を照らし、仏壇内部を明るくします。

従来型の仏壇では、天井から一対の灯篭が吊り下げられていることが多いかと思います。

最近の家具調の仏壇では、ダウンライトが仏壇自体に備わっており、灯篭を吊るさないこともあります。

最近では吊灯篭の電球もLEDのものが多くなってきて、長期間に渡ってノーメンテナンスでご使用いただけるようになっています。

輪灯(りんとう)

輪灯天井から対で吊るされる、灯明部分が大きな輪状になっているものです。

もともとは皿部分に油を入れて火を灯して使用していましたが、こちらも最近ではLEDの電球で安全に使用できるようになっています。

主に浄土真宗で使用され、本願寺派が菊輪灯、大谷派が無装飾丸蔓輪灯など形状に違いがあります。

置灯篭(おきとうろう)

文字通りの置くタイプの灯篭です。仏壇には吊灯篭が使われることが多いため、祭壇で使われることの方が多いかと思います。

また、浄土真宗では使われません。

 

華供養のための仏具

花立仏教において華供養は重要な供養の一つとされています。

華は供養する人の心を安らかにし、その供養する心をご本尊やご先祖さまに向けるものです。

ですので、花はお供えする人から美しく見えるように供えるのが一般的です。

地花(じばな)

地花とは具足に含まれる花瓶で、生花や常花(じょうか)が飾られます。

常花とは常に枯れない造花のことで、アルミや銅製で主に蓮華の造形をしたものが多いです。

仏壇の内で花をお供えする場合は、仏壇に花がついてしまうと仏壇が傷む原因になるので、あまり多すぎず小さめにお供えします。

たくさんの花をお供えしたい場合は仏壇の外で大型の花瓶にお供えするようにします。

華鋲(けびょう)

華鋲とは浄土真宗において、水入れとして用いられる花瓶の一種です。

樒(しきみ)を挿しておき、水が腐っていない事を示します。

左右対称に一対で上卓(うわじょく)に安置します。

 

飲食供養(おんじきくよう)のための仏具

食べ物や飲み物をお供えする仏具全般のことです。

茶湯器(ちゃとうき)・仏飯器(ぶっぱんき)

茶湯器仏飯器茶湯器はお茶や水を供え、仏飯器はご飯を供える仏具です。

よく似た形状の場合、碗が深いものが茶湯器で浅いものが仏飯器となります。

できることなら毎朝、ご飯は炊きたてのものをお供えするのが基本となります。

また、盛糟(もっそう)という仏飯器にご飯を盛るための道具が使われることもあります。

高坏(たかつき)・段盛(だんもり)・供笥/供花(くげ)・華束(けそく)

高坏供笥高坏は脚付きの供物台、段盛は4段程円盤を重ねたような搭状の供物台で、お菓子や果物をお供えします。

段盛はたくさんのお供えができますが、サイズが大きいため仏壇内ではなく祭壇で使われることの方が多いかと思います。

また、浄土真宗では供笥や華束といった、高坏を豪華にしたような六角形もしくは八角形の供物台が使用されます。

霊供膳(れいくぜん/りょうぐぜん)

仏前に一汁三菜の精進料理をお供えするための膳と4種の椀と高皿およびお箸の一式で、祥月命日やお盆・お彼岸の際に使用されます。

親椀:ご飯

汁椀:味噌汁や吸い物

平椀:煮物

壺椀:なます

高皿:和え物や漬物

仏前の方にお箸を向けてお供えします。

また、浄土真宗では使用されません。

 

盆音具(ぼんおんぐ)

おりんや木魚のことです。

音によりお勤めの開始と終わりを知らせたり、読経の際にリズムをとる役割があります。

また、その音には邪気を払って、空間を清める力があるとされています。

 

荘厳具(そうごんぐ)

仏壇内を美しく飾るための道具です。

瓔珞(ようらく)

瓔珞仏壇で、吊灯篭の内側に対になって吊り下げられている金色のキラキラとした装飾が瓔珞です。

仏像では菩薩が身に付けている首飾りが同じものです。(悟りを開いた如来は格好が質素になり、あまり装飾は身に付けません。)

お寺に行きましても、天井から大きなものが吊り下げられているかと思います。

仏壇はお寺をコンパクトにしたものですので、仏壇にも小さくした瓔珞が吊り下げられているのです。

仏壇では通常は一対で飾られます。

打敷(うちしき)

法要などの時に使用される装飾がなされた布製の敷物です。

浄土真宗では三角形のものが、それ以外の宗派では四角形のものが使われます。

前机の天板と本体の間に挟み込んで使用したり、お仏壇の膳引きの上の隙間に差し込むか仏具などで押さえて使用されます。

 

位牌について

位牌とは故人の戒名・法名を記した木牌で、故人の依代(よりしろ)になるものと考えられています。

最近ではレーザー彫刻が可能となり、硬い素材のものでも精細な彫刻ができるようになった為、木製以外にもクリスタルガラス製のものや石製のものもあります。

位牌を仏壇に祀る際に置く場所は、一番上の須弥壇(しゅみだん)より一段下がった所に置くのが一般的ですが、旦那寺や地域により須弥壇上に置く場合もあります。

また、位牌の数が多い場合は、内部に戒名・法名を記した札を何枚も入れることができる繰出位牌(くりだしいはい)が使用されることもあります。

 

過去帳(かこちょう)

先祖代々の故人の戒名や法号、法名、俗名、死亡年月日、享年などを記しておく帳簿です。

特に位牌を作らない浄土真宗においては過去帳は仏壇にお供えし、位牌と同等に扱われます。

他の宗派においても、繰出位牌にも入り切らない場合などに過去帳にまとめたりします。

 

卓・机

前卓(まえじょく)

仏壇内で三具足もしくは五具足を安置する小型の卓。

上卓(うわじょく)

仏壇の一番上の段、須弥壇上で使われる小型の卓。

経机(きょうづくえ)

もともとは経本を安置するための机であり、読経の際に経本を開いて置いたりします。

現在では仏壇の外で燭台や香炉等の火のものを置く台としても使われています。

 

毎日のお勤めを行いやすくするための道具

マッチ消し・線香差し

その他に毎日のお勤めを行いやすくするための道具として、マッチ消しや線香差しがあります。

マッチ消しは、蓋に空いた穴にローソク等に火を付けた後のマッチを入れると勝手に消化されるというものです。

線香差しは、その都度箱に入った線香を取り出して使用するのではなく、筒状の線香差しに何回か分の線香を差しておき、そこから使用するためのものです。

いずれも燭台や香炉を経机の上に置いて使用している場合は、香炉の向かって左側に置いておきます。

蝋燭消し

仏前でのローソクは、口で吹いて消してはいけないといわれています。

手で扇いで消すのが一般的ですが、なかなか消せない場合もあるのでローソクを消すための道具もあります。

小さな団扇(うちわ)のものや、先が釣鐘のようになっていてローソクの火にかぶせて消すものがあります。

 

ご本尊と脇侍(きょうじ)

仏壇には須弥壇上にて御本尊と脇侍が掛軸もしくは仏像によって祀られます。

ご本尊と脇侍は宗派により様々です。代表的なものを下記のようになります。

※ご本尊から見て右側が右脇侍で左側が左脇侍となりますので、こちらから見て向かって左が右脇侍であり、向かって右が左脇侍となります。

天台宗

右脇侍:伝教大師(でんきょうだいし) ご本尊:坐弥陀(ざみだ) 左脇侍:天台大師(てんだいだいし)

中尊に阿弥陀如来坐像が祀られ、向かって左に日本における天台宗の創始者である伝教大師・最澄(さいちょう)、向かって右には天台宗の開祖である天台大師・智顗(ちぎ)が祀られます。

真言宗

右脇侍:不動明王(ふどうみょうおう) ご本尊:大日如来(だいにちにょらい) 左脇侍:弘法大師(こうぼうだいし)

中尊に大日如来が祀られ、向かって左に煩悩を断ち切り諸願を成就させるといわれる不動明王、向かって右には真言宗の開祖である弘法大師・空海(くうかい)が祀られます。

また、十三仏に弘法大師を加えた掛軸を一幅で祀る場合もあります。

浄土宗

右脇侍:法然上人(ほうねんしょうにん) ご本尊:阿弥陀如来(あみだにょらい) 左脇侍:善導大師(ぜんどうだいし)

中尊に阿弥陀如来、向かって左に浄土宗の開祖である円光大師(えんこうだいし)・法然、向かって右には善導大師が祀られます。

浄土真宗本願寺派

右脇侍:蓮如上人(れんにょしょうにん) ご本尊:阿弥陀如来 左脇侍:親鸞聖人(しんらんしょうにん)

中尊に阿弥陀如来、向かって左に現在の本願寺派の基盤を作った蓮如上人、向かって右には浄土真宗の開祖である見真大師(けんしんだいし)・親鸞が祀られます。

真宗大谷派

右脇侍:九字名号(くじみょうごう) ご本尊:阿弥陀如来 左脇侍:十字名号(じゅうじみょうごう)

中尊に阿弥陀如来を祀り、向かって左に「南無不可思議光如来」の九字名号、向かって右に「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号が祀られます。

臨済宗

右脇侍:観音菩薩(かんのんぼさつ) ご本尊:釈迦如来(しゃかにょらい) 左脇侍:達磨大師(だるまだいし)

中尊に釈迦如来坐像、向かって左に全ての衆生の救いを求める声を聞き救済するとされる観世音菩薩を祀り、向かって右には中国禅宗の初祖である円覚大師(えんかくだいし)・菩提達磨(ぼだいだるま)が祀られます。

曹洞宗

右脇侍:常済大師(じょうさいだいし) ご本尊:釈迦如来 左脇侍:承陽大師(じょうようだいし)

中尊に釈迦如来坐像、向かって左には日本の曹洞宗中興の祖である常済大師・瑩山禅師(けいざんぜんし)、向かって右には日本の曹洞宗の祖である承陽大師・道元禅師(どうげんぜんし)が祀られます。

日蓮宗

右脇侍:大黒天(だいこくてん) ご本尊:曼荼羅(まんだら) 左脇侍:鬼子母神(きしもじん)

中央に日蓮の仏教的世界観を表した曼荼羅を祀り、向かって左に大黒天を祀り、向かって右には鬼子母神が祀られます。

 

掛軸

スタンド掛軸仏壇に祀る掛軸は、法輪というピンで金属製のフックを留めて掛ける場合や、仏壇に元からフックが付いている場合、直接仏壇にピン留めする場合、スタンド式のフックを置く場合等様々です。

最近では掛軸自体が自立するスタンド式の掛軸も出てきており、主に家具調のモダンな仏壇で使われます。

掛軸の大きさの単位は「代(だい)」であり、数え方は一幅・二幅(いっぷく・にふく)と数えます。

 

仏具の配置について

冒頭にも述べましたように、仏具の置き方は宗派や地域等さまざまな要因によって違いますので、一概にこうであるとは言えないのですが、基本的な配置は決まっています。

だいたいは上から飲食供養具、華供養具、灯供養具となっている場合が多いかと思います。

日々のお勤めがしやすいよう、ある程度は配置を変更しても良いとも言われております。