ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年2月15日

お葬式・ご葬儀などの葬送・供養に関する事前相談をご活用ください

  • お仏壇と墓石の太田屋
  • 太田博久(代表取締役)

もしも家族が亡くなった時、どうすればよいのか…。

これは多くの方が抱えている不安ではないかと思います。最近は「終活」をなさる方も多くいらっしゃいますが、自分で考えたり、家族と相談したりすることはあっても、実際に葬儀社や仏壇店などに相談する方はあまり多くないのかもしれません。

長野県の弊社では、10年以上にわたり「聞けば安心“個別相談会”」と銘打って、お葬式(葬儀)・仏壇・お墓などの葬送や供養、また葬儀後の手続きに関わる遺言や相続についての「相談会」を実施しています。葬儀社や仏壇店によって多少内容は異なるかもしれませんが、全国各地でそのような「いざという時にできるだけ困らないよう」に事前に準備をしていただくための「相談会」が開催されています。日常生活では触れる機会の少ない、その場になって経験しないとわからないことの多い葬送や供養のやり方、その後の様々な手続きだからこそ、事前にご相談いただき、具体的に知っておくことが大切です。いざという時に慌てることなく、悲しみに直面する最中で考えたり決めたりすることを少なくしておくことは、より納得いく葬送・供養をしていただくためのポイントのひとつです。そのためにも、葬儀社や仏壇店などが行っている「事前相談」を是非ご活用ください。

とはいえ、慣れない葬送や供養に関する内容ですので「何を相談したらいいのか」と相談内容自体がすぐには思いつかず、悩む方もいらっしゃるでしょう。まずは弊社の長野県内での相談内容事例を挙げてみますので参考にしてください。

・もし家族が亡くなったら、どうすればいいのか?

・お葬式の費用はいくら位か?お布施の金額はどう考えればよいか?

・家族葬をしたいが、どうすればいいのか?

・亡くなった際には家に連れて帰れないが、何か方法はあるか?

・実家が空き家になるがどうすれば、遺品はどうすればいいのか?

・墓じまいをしたいがどうすればいいのか?

・後を見る人がいないので、永代供養をしたいがどうすればいいか?

・家の仏壇に位牌がたくさんあるが、どうしたらいいか?

・遺言は書いた方がいいのか?書く場合の方法はどうすればいいか?

・相続の手続きはどうしたらいいのか?

このように、相談内容は家庭の事情により異なり、様々なものがあります。まずは「何となく不安だな」とお感じになることを相談していただければ、そこから、より具体的な内容が見えてくるはずです。

遺言書

 

<事前相談の3つの方法>

事前相談には大きく次の3つの方法があります。

①葬儀社や仏壇店等の事業者が開催する「事前相談会」に行って相談する

②葬儀社や仏壇店等の事業者を直接訪問して相談する

③葬儀社や仏壇店等の事業者がご自宅等に出向いて相談する

それぞれの方法にメリット・デメリットがあります。ご事情に応じた方法を活用していただければよいと思います。

<事前相談会に行って相談する>

多くの事業者が、葬祭会館や店舗で事前相談会を定期的に開催しています。いつお葬式の依頼を受け執り行うのか予定のつかない葬祭会館の場合だと、通常お葬式を行うことのない「友引」の日に設定されることが多いかもしれません。弊社の場合は毎月1回、あらかじめ決めてお知らせする友引の日に開催しています。

事前相談会は予約制方式と自由に参加できる方式があります。まずはその実施方法を確認してください。

ほとんどの事前相談会は無料で相談を受け付けています。また複数の方々を対象とするセミナーを併せて実施する場合もありますが、相談自体は事情を聞き取りながら「個別」に行うのが通常です。

日時を決めて開催するものですので、どんな内容の相談にも極力対応できるよう、スタッフを揃えているはずです。長野県の弊社の場合だと、お葬式のことでしたら葬儀ディレクターが不安や悩み、事情や希望など具体的で詳細な相談を受け、現時点での相談内容を踏まえたお葬式の見積りも致します。仏壇やお墓についても、詳しい担当者がご事情に応じて詳細な相談を受けます。最近では「もしもの時には空き家になるので、仏壇を片付けたいが…」とか「お墓を移すには、どうすれば…」や「お墓の撤去(墓じまい)はどうすれば?」などの相談も増えていて、それぞれの対処方法をアドバイスします。また遺言や相続についての具体的な相談には、専門的な対応ができる行政書士に直接相談ができ、希望すれば手続きや書類作成等の依頼もできる態勢を整えています。お葬式の相談をしているうちに、相続やお墓のことも気になって…というように、不安や悩みはひとつとは限りません。事前相談会には、いろんな相談が一度にできるメリットがあります。ただその際には、その分だけ所要時間は長くなります。

また、事前相談を開催している会場(葬祭会館や仏壇店)に実際に足を運ぶことで、その会社の雰囲気を感じることができます。ウェブサイトや広告等の情報だけでは伝わらないその事業者の「実際の雰囲気」を感じ取ることで、信頼できる会社か否かの大事な判断材料にもつながります。

ただ、メリットの多い事前相談会ですが、事業者の都合で日時が設定されていますので、仕事等でなかなか都合がつかない場合もあるのがデメリットと言えるでしょう。

 

<直接訪問して相談する>

事業者が開催する事前相談会に行くことができない場合には、直接訪問(来館・来店)して相談する方法もあります。

葬儀社の葬祭会館に訪問する場合には、事前にご都合をお知らせいただき、予定を決めてから訪問されることをお勧めします。葬祭会館はいつお葬式の依頼を受け執り行うことになるのか予測がつかず、直前でないと予定を立てられない性質があります。それでも、あらかじめ訪問日時を決めておいていただければ、もしお葬式を行うことになっても、事前相談用の部屋やスタッフを準備することができます。また、訪問予定を打ち合わせる際に相談内容が少しでも具体的になれば、事前相談会のように行政書士等の専門家との相談も可能になります。

この方法の場合も、事前相談会と同様に、訪問した場の雰囲気を感じ取ることができるのはメリットでしょう。ただ、事前相談会と比べると、その場での相談内容がより具体的で専門的になった際には、内容によってはその場での臨機応変な対応が若干不足する場合があるかもしれません。

 

<事業者が自宅等に出向いて相談する>

自営業でなかなか時間が取れない等の事情で、事前相談会では都合があわない、直接個別に訪問することも難しいという方もいらっしゃるでしょう。その場合には、日時を決めて、事業者が自宅や会社などの指定の場所に出向いて相談を受ける方法もあります。

この方法だと、お忙しい日常を送っている方でも事前相談が可能になりますが、あらかじめ相談内容を具体的にしておかないと十分な相談にならないことも考えられます。また、伺ったスタッフ以外の社員・会場(会館・店舗)の雰囲気や対応力を直接感じ取ることができない点がデメリットです。

 

ここまで、事前相談の3つの方法についてお伝えしました。それぞれの方法による違いはありますが、事前相談を活用していただくこと自体にメリットがあることは変わりありません。

・いざという時に慌てないで済む。

・個別の事情(地域・家庭・檀家等)や希望を反映しやすくなる。

・費用の目安(見積書等)を把握できる。

・事業者の雰囲気や対応力、信頼度を判断できる。

お葬式(葬儀)、相続や遺言、お墓や仏壇…葬送や供養に関わる物事は、頻繁に経験することではなく、日常生活で意識する機会も少ない事柄です。「何をしたらよいやら」という不安があることが当たり前とも言えます。また、地域や家庭の事情等によって困り事の内容もそれぞれで、不特定多数の方々が参加するセミナー等の一般的な事例だけでは解消できない事柄もあります。それだからこそ、その不安を少しでも解消し、いざという時に困らないようサポートする機会が個別に行う「事前相談」です。弊社の事例では、所要時間は平均すると1~2時間程度です。また、事前相談は無料で行われ、相談に行ったからといって必ずその事業者を利用しなければならないわけではありません。事前相談の機会に事業者から、その会社の会員加入を勧められるケースもあるでしょうが、不安があればもちろんお断りいただいて結構ですし、1社に限定せず、複数の事業者の事前相談を活用し比べていただくものよいでしょう。

事前相談は決して特別なものではありません。どうか気軽に事前相談を活用してください。