ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年2月1日

世界一幸せな国ブータンと仏教

  • 株式会社佐倉幸保商店
  • 佐倉浩徳(代表取締役社長)

ブータンは中国とインドの間にあり、面積は九州と同じくらいです。人口は九州の約20分の1で、国土の70%が自然に覆われており、人と自然が共存しています。

世界一幸せな国と有名なブータンですが、国民の97%が自分は幸せだと感じています。そこには宗教信仰も大きく関わっており、ブータンは日本と同じ仏教国です。チベットから伝わった仏教の教えは、国民の生活に根付き大切にされてきました。人々は自然界の形あるものすべてを崇拝し、仏教の不殺生の教えに従っています。例えば、蚊が自分に止まったとしても飛んでいくまでじっと待つそうです。目に映るものすべてが自分たちのご先祖様の生まれ変わりだと信じ、粗末に扱うことはしないのです。何に生まれ変わるかは生きている間の行いにより決まるとされている仏教。日々、悪業はせず善業で徳を積んでいるのです。そんな教えが生活に溶け込んで当たり前にあることが、同じ仏教国でも大きな違いなのかも知れません。

また国民はお祈りの時間も大切にしています。毎日何度も祈りを捧げます。それは家のみならず、学校や会社、町の中のいたる場所に祈りのための場所があります。そして自分自身、人のため、国のために祈りを捧げることで豊かな心が育まれているのです。ブータンの人々は周りと自分を比較して幸せを定義したりすることもせず、各々がちゃんと自分の幸せは自分自身で探すそうです。

ブータンでは、近年すごい勢いで近代化が進んでいます。しかし近代化はするが西洋化はしないという方針があります。近代化に伴い西洋化し、独自の文化や自然が失われてしまった国々もたくさんありますが、自国の美しい自然や素晴らしい文化に強い誇りを持つことが、幸せ度の高さにつながっているように思います。

 

世界的なデータに基づく幸せランキングでは計り知れない『幸せ』がブータンの国民の中にはあるのではないでしょうか。