ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年1月19日

亡き会長様のソファ

  • お仏壇と墓石の太田屋
  • 太田博久(代表取締役)

「ソファをイメージしたお墓をお建てになりたい、とのお話です。」

先日、地元企業会長様のご葬儀のお手伝いを致しました。喪主を務めた知人社長様からお墓のご相談を受けて担当する店舗スタッフから、そう連絡がありました。

ソファのイメージとは珍しいな…と思いながら、詳細確認の打ち合わせに、スタッフと一緒に会社に伺いました。

社長室へご案内いただくと、そこには来客用のソファが。その脇の小さなテーブルには、亡き会長様のお写真が飾られています。

「この前納めてもらったお仏壇はとても気に入っていて、毎日お参りしていますよ。」

社長様の有難いお言葉をいただき、改めてお墓の図面とイメージ画像を見ながらの打ち合わせが始まりました。

中心にアールの曲線を帯びた黒御影石のお石塔、その周りを囲むように少し高さと幅のある赤茶色系の外柵。正面から見たイメージ画像をじっと眺めていると、私の目の前のソファに、横に置かれたお写真の中で微笑む亡き会長様が、肘掛け(外柵)に腕を乗せ、ゆったりとお座りになっている姿が思い浮かびました。

このソファのことだったのか…。今は社長室ですが、このお部屋は以前、会長様がお使いになっていたのでしょう。

社長様をはじめ、ご遺族の皆様が抱くお墓のイメージに対するお気持ちをハッキリと感じ取ることができました。

「承知しました。皆様のお気持ちはよくわかりました。できる限りイメージ通りのお墓にできるよう努力します!」

そう返答しながら、私は、ご遺族の皆様がソファに腰掛ける亡き会長様に向かうようにお墓参りをするお姿を思い浮かべていました。

天然の素材である墓石の色目をどれだけ実物のソファのイメージに近づけられるのか。大きな宿題をいただきましたが、担当スタッフと共に、精一杯の努力を誓いました。