ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年1月15日
善に目覚めた夜叉の出世頭!?「金剛夜叉明王」
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
夜叉の王
夜叉(やしゃ)とは以前コラムでも紹介しました通り、元はバラモン教の人をも食らう悪神が仏教に取り入れられ護法善神となった者達の総称です。
その中でも雷を放つ夜叉であるヴァジュラ・ヤクシャは大日如来の威徳により「金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)」となり、五大明王の一尊にまでなった仏様です。
五大明王 北の金剛夜叉明王
五大明王としては北に位置しますが、天台宗では金剛夜叉明王の代わりに烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)が配されます。
その力は冒頭にも述べましたように雷を放つことからあらゆる障害も貫く堅固な力を持つとされ、仏教に帰依してからは悪人のみを食らうようになったことから、敵や悪を喰らい尽くして善を護る「戦勝祈願の仏」として親しまれています。
悪を食らうことから内外の悪を打破する調伏(ちょうぶく)と、健康であることの息災(そくさい)のご利益があるとされています。
金剛夜叉明王の造形
その姿は3つの顔と6本の手を持ち、特徴的なのは正面の顔には5つの目があることです。
5つの目をもつ明王は金剛夜叉明王だけですので、見分けるポイントにもなります。
6本の手には名前通りの金剛杵(こんごうしょ)をはじめ、弓矢や長剣、金剛鈴などの武器となる各種法具を持っています。