ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2021年1月11日

365日24時間営業

  • お仏壇と墓石の太田屋
  • 太田博久(代表取締役)

午前0時58分、私の携帯電話が鳴りました。とうとう連絡が来てしまったか…そう思いながら電話を取ると、予想通り、高校時代からの友人でした。「母がたった今、目を落とした」と。

数日前に彼からお母様が危篤状態と電話があり、その日以来、夜には着信音が鳴るよう設定を変え、枕元に置いて就寝していました。訃報を知らせる電話を受けながら、お悔やみの言葉と同時に「それでもお母さん、頑張ったね」と声を掛けていました。電話を切ってすぐに弊社の当日担当スタッフに連絡し、病院へお母様をお迎えに伺う手配をしました。

いつ、どなたが、どこで、どのような形でお亡くなりになるのか、それは誰にも予測がつきません。そうである以上、私たち葬儀に携わる仕事に就く会社は、365日24時間体制で運営する役割と責任があります。もちろん、この年末年始も同様です。

自治体が運営する火葬場は年明けの三が日はお休みで、その間にご葬儀を執り行うことはありません。それでも、三が日にお亡くなりになる方もいらっしゃいますので、お迎えやお打ち合わせの仕事が必要になります。365日のどの日であっても、かけがえのない大切なご家族を失い、必要とされる方々がいらっしゃる以上、私たちがそのご依頼にお応えすることは当然です。

コロナ禍で「不要不急」という言葉をよく耳にするようになりました。葬儀社の仕事は、命の火が燃え尽きた後に対応する仕事ではありますが、ご遺族のご依頼の実際を踏まえれば、決して「不要不急」ではありません。

「家族葬」や「直葬」といった少人数のお葬式が増えても、「通夜ぶるまい」や「精進落とし」での会食の機会が憚られる状況へと変わっても、そして命の火が燃え尽きた後ではあったとしても、ご依頼をいただいたら直ちに対応させていただく私たち葬儀社の仕事は「必要火急」であるとの本質を再認識し、改めてその使命を自覚した今年の年明けです。