ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2021年1月4日
菩提寺での修正会(しゅしょうえ)
- お仏壇と墓石の太田屋
- 太田博久(代表取締役)
私の今年の元旦は、菩提寺での修正会で始まりました。
修正会は「正月」に「修する法会」を指し、仏教寺院で毎年1月に行われる法要のことです。私の菩提寺は真宗大谷派。浄土真宗東本願寺をご本山とする「お東」です。浄土真宗では「新年に仏前で身を正し、改めて自分自身を見つめ直す法要」と位置づけられているようです。
この修正会は、各宗派やご寺院によって行われる日や期間や作法が異なります。私の菩提寺では、大晦日の除夜の鐘を100回まで打ち、残しておいた8回を修正会の開始前に鳴らして合計108回とするそうです。
菩提寺のお内陣には、ご本尊の阿弥陀如来像が安置されています。このご本尊は1590年頃から、お寺の場所が移ってもずっと守り続けられてきたと聞きます。豊臣秀吉が権勢を誇った時代から430年もの間、多くの先人たちが手を合わせてきたご本尊だと思うと、改めて背筋の伸びる気がします。
昨年は、私たち人間の力ではどうにも制御できないコロナ禍の影響を受け、自分の力の及ばない「大きな働き」について思いを馳せずにはいられませんでした。お題目「南無阿弥陀仏」を心で唱えながら(感染防止で声を出さずに)、まさに「大きな働き(阿弥陀仏)」に「帰依する(南無)」心境でした。
思えば奈良東大寺の大仏は、天然痘の蔓延する時代に、その終息を願って聖武天皇が建立させたとも言われます。京都祇園祭も、やはり疫病終息への願いから始まったとも聞きます。人類史上最高レベルの文明を手に入れたと思っている私たち現代人も、その頃の先人たちと同じ気持ちで、同じ願いと祈りをご本尊に向かって捧げていることに違いはありませんね。