ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2020年12月20日
日本人の柔軟性
- 株式会社佐倉幸保商店
- 佐倉浩徳(代表取締役社長)
早いもので今年も残りわずかとなりました。これから年末年始にかけて『クリスマス』『大晦日の除夜の鐘』『お正月の初詣』と、1週間のうちに3つも大きなイベントが待っています。子どもの頃から当たり前に思っていたこの怒涛のイベント週間ですが、どうも世界の国々から見ると、ちょっと不思議な光景らしいのです。
これらの日本人には欠かせない行事は、3つの宗教にとっても大事な行事です。『クリスマス=キリスト教』『大晦日の除夜の鐘=仏教』『お正月の初詣=神道、仏教』。異なる3つの宗教を受け入れ祝う姿は、『一神教(唯一の神を信仰)』とされるキリスト教やイスラム教の多い国々から見ると、考えられないくらい不思議なことだそうです。そもそも日本は日本固有の宗教『神道』の国で、昔から『八百万(やおよろず)の神』を信仰してきました。『八百万の神』とはどういったものなのかというと『たくさんの神』という意味です。『八百(やお)』という言葉は数が多いということ意味しています。見覚えがある字だなと感じませんか?『八百屋』なら聞き馴染みがありますよね。『八百屋』は多くの種類の野菜や果物を売っていたためその名がつけられました。また『万(よろず)』も同様、数が非常に多いことを意味し『よろず屋』は食べ物から生活雑貨までありとあらゆる物が売っていたとされています。『八百』と『万』が合わさることで『八百万の神』はありとあらゆるものに神は宿ると考え、それらの神々を信仰してきました。この考えが根底にある日本人だからこそ、異国から来た仏教が広まり、一神教であるキリスト教の教えであっても受け入れることができたのではないでしょうか。
一見筋が通ってないようにも思えますが、そのしなやかな考え方があるからこそ今までも多くの困難を受け入れ、力を合わせて乗り越えられたのだと思います。そしてまた今も大きな困難と闘っている最中ですが、力を合わせて乗り越え、来年こそは皆様にとって良い年となりますようお祈り申し上げます。