ためになる!?ぶつだんやさんコラム

2020年12月1日

あれも?これも?仏教語?「正念場(しょうねんば)の巻」

  • お仏壇と墓石の太田屋
  • 太田博久(代表取締役)

ここぞという大事な場面や局面を「正念場」と言います。

コロナ禍の影響が長引き、いま再び感染拡大の局面を迎えています。飲食業をはじめとする、お客様にお越しいただくことを前提に商品サービスを提供するお店は、通常であれば繁忙期となる忘新年会シーズンに大きな影響が出ています。また葬祭業でも会食への警戒心が再び高まり、精進落としの席を設けることが難しい状態が続いています。それら業種にとっては、この年末年始をどう乗り切っていくのか、まさに「正念場」を迎えた状態です。

この「正念場」は、お釈迦様が説かれた八正道のひとつ「正念」に由来する仏教語だとされ、歌舞伎や人形浄瑠璃などで、主人公の最も重要な場面を表す言葉として使用されたことで広まったようです。

「正念」は、簡単に言えば雑念のない正しい心、平常心という意味だそうです。つまり「正念場」は、この正しい心や平常心が必要な場面ということになります。歌舞伎などで大切な場面を演じる際には、またスポーツの試合で勝敗を決する重要な局面には、冷静な判断と行動を生み出す正しい心の状態が求められます。その「正念」が最も必要な場面が「正念場」ということなのですね。

弊社もそうですが、この年末年始は本当に厳しい局面と向き合わなければならない職種やお店は多いことと思います。それをしっかりと乗り越えていくためにも、飛び交う情報に左右されることなく、状況を冷静に、より正しく捉え対応する「正念」を意識していきたいと思います。