ためになる!?ぶつだんやさんコラム
2020年11月6日
堅固なる悟りの境地「阿閦如来」
- 株式会社ぶつだんのもり
- もくりんくん
阿閦如来とは
阿閦如来(あしゅくにょらい)という仏様をご存知でしょうか。
日本では十三仏として七回忌を司る仏様ですが、それ以外ではなじみは薄いかもしれません。
密教における金剛界五智如来(こんごうかいごちにょらい)の一尊であり、最高仏の大日如来の東方に位置します。
また、胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)における五仏の東方に位置する宝幢如来(ほうどうにょらい)と同一視されます。
日本では単独で祀られる事はほぼ無い阿閦如来ですが、チベットなどのインド仏教では主尊として信仰される仏様なのです。
阿閦如来の名前の意味
その名前は「揺るぎない」という意味を持ち、堅固な悟りの境地で戒めに厳しく心を乱さないことから、「不動如来」または「無動如来」という別名もあります。
そのことからも、万物を正しく照らし、誘惑や障害に打ち勝つ堅固な力を与えると言われます。
阿閦如来の造形
造形としては、右手の甲を外側に向けて下げ指先で地に触れる「触地印(そくじいん)」を結び、左手は衣服をつかんでいます。これは掛軸においても同じ姿をしている事が多いので、十三仏の描かれた掛軸で阿閦如来を見分けるポイントにもなります。
先にも述べました通り、日本では単独の像はあまり無く、五智如来の一尊として造像されることがほとんどとなっています。